大ヒットした童謡「黒ネコのタンゴ」で知られる、元歌手の皆川おさむ(みながわ・おさむさん、本名理=おさむ)が23日午前0時35分、慢性腎不全のため横浜市の病院で亡くなった。62歳だった。代表を務める、ひばり児童合唱団が24日、発表した。通夜は27日午後6時から、葬儀・告別式は28日午前11時から目黒区碑文谷1の22の22、円融寺示真殿で。喪主は姉礼子(れいこ)さん。
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高度経済成長期の日本を、あどけなく明るい歌声で照らした、皆川さんが力尽きた。関係者によると、昨年11月に、大腿(だいたい)骨に埋め込んでいたボルトが股関節に刺さり、痛みがあったため入院。同12月に手術を受けたが感染症を発症し、その後、手術を2度、繰り返した。元気になったが、腎移植をして透析を受けるなど体が弱く、リハビリ病院に転院を予定していた前日に亡くなったという。
皆川さんは、伯母の和子さんが創設した、ひばり児童合唱団に3歳で入団。6歳だった69年に、芸能関係者と人脈のあった和子さんの存在もあり、同合唱団にオファーがきたイタリアの童謡のカバー曲「黒ネコのタンゴ」を歌うことになった。同年10月5日にリリースすると、一気に人気が広がり大ヒット。11月10日付のオリコン週間シングルランキングで1位を獲得した6歳10カ月は、最年少記録を樹立。14週連続1位は歴代3位。累積売り上げは223万5000枚だ。米国、フランス、イタリアはじめ7か国語でもリリースした。
歌手だけでなく、70年の映画「恋の大冒険」(羽仁進監督)や、ひばり児童合唱団にも在籍し親交があった吉永小百合(80)主演の71年の日本テレビ系ドラマ「花は花よめ」など、小学生時代はドラマ、バラエティー番組にも出演した。ただ成長期に差しかかり、変声期を迎えたところで潔く引退し、ひばり児童合唱団も卒業した。15年に日刊スポーツの取材を受けた際は「変声は大きかったです。もともと芸能界に対してそこまで欲がなかったし、だんだんと思春期に入って芸能活動が恥ずかしくなってきていた」と振り返った。
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大学卒業後はインダストリアルデザイナーとして幅広く活動。14年に和子さんが92歳で亡くなった後、ひばり児童合唱団の代表に就任。後進の育成に努めていた。
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