
【写真】クールな表情で魅せる渡辺翔太 撮り下ろしフォト
■ホラー映画の主演に抜擢! メンバーは心配
――渡辺さんは怖がりだと聞きました。ホラー映画の主演が決まったとき、Snow Manのメンバーは心配していませんでした?
渡辺:してました、してました。「本当のビビりができるのか?」って。でも中田監督が、(観客は)お化けだけじゃなくて、お化けを見た人のリアクションによって怖がるからって。ビビっている姿も怖がらせる要素として大事だからと。主演ということにもプレッシャーはありましたけど、ホラー映画へ出演させていただく機会ってあまりないですし、すごいチャンスなので、自分のお仕事の幅を広げようと思いました。
加藤:前作が亀梨さん主演で、その後継にもなるわけじゃないですか。緊張しちゃわなかったですかあ?
渡辺・松原:!! (自然に場を回し始める加藤に爆笑)。
渡辺:それこそ亀梨さんが前作やられてすごくヒットして、後輩としては先輩が作ってくれたレールにしっかり乗っていくべきだと思いました。
――亀梨さんから何かアドバイスはありましたか?
渡辺:今回の主演が決まったときにご報告させていただいて、そのときにお話したんですけど、タニシさんが現場に来ると、具合が悪くなるって。だから「気を付けてね」と。亀梨さんは車のエンジンが撮影中かからなくなったと聞きました。
|
|
加藤:ありました!
(※加藤は前作・今作と別のキャラクターとして連続出演。)
渡辺:でも、今回の本編のセリフに「なんでもお化けのせいにするな」というのがあるんです。なので、撮影中に何か起きても、「ホラーの撮影だからだ」とすぐに怪奇現象と結びつけるんじゃなくて「これはたまたまなんだ」と、恐怖から逃げるようにしていました(笑)。
――タニシさんは今回、渡辺さんにシリーズ最新作の主演が決まっていかがでしたか?
タニシ:めちゃくちゃよかったです。
渡辺:ありがとうございます。
タニシ:怪談イベントっていうのがあるんですけど、そういうのに来る方って、みなさん「次は、どんな怖い話をしてくるの?」って身構えて来てるんです。ハードルが上がると、どんなに怖い話でも怖くならなくて。逆に、そこに怖がる人がいると、「あれ、怖いかも」となるんです。だからリアクションって大事なんです。
|
|
タニシ:渡辺さんの、本当に怖がっているような、素なのか、演技なのか分からない感じは、お客さんも一緒になって感情移入して、その現場にいる感じになると思います。僕、怖かったですもん。渡辺さんが怖がってるから。
渡辺:わー、うれしい! 1軒目のアパートとか2軒目の旅館とか、雰囲気のあるロケーションだったので、実際、結構怖かったですね。
■「しょっぴーの目の前でファンクラブに入りました」(加藤) 「霊って仲間に入ろうとするんですよ」(松原)
――渡辺さんと加藤さんは『おそ松さん』(2022)以来の共演ですね。
加藤:そうです、もう3年以上前ですよー! 怖いねぇ。
渡辺:あはは。諒くんがいるとホラーの現場でも明るくなります。
|
|
渡辺:よかったですよ。和やかで。
加藤:なんかね、クレープの差し入れがあって、食べるか食べないかってお話したりとかね♪ あと、しょっぴーの目の前でSnow Manのファンクラブに入っちゃったりとかして。ねー!
渡辺:はい(ニコニコ)。
加藤:だからバレンタインデーにしょっぴーにチョコレートを贈るやつ、やったよ。それでホワイトデーにボイスメモみたいなのが送られてきたよ!
渡辺:届きました?
加藤:うん。届いた!
渡辺:あははは! ホントに明るくしてくれました。
――とはいえ、現場では怖いこともありました?
加藤:怖かったよね〜。
渡辺:(笑)。
加藤:タニシさんが現場に来られてたんですけど、タニシさんって霊に取り憑かれてるらしいです。
タニシ:自覚はないですよ。
加藤:タニシさんに取り憑いている霊を全部取り払っちゃうと、タニシさん魂を持ってかれちゃうらしいんです。だから何体か残しておかないといけないんです。今日、何体か聞いたら90体って!
――90体!?
タニシ:本当か知らないですよ。霊能者的な人が、左に90体で右に2体憑いてるって言ってました。
――え、バランスおかしくないですか!?
渡辺:(苦笑)。
――じゃあ、タニシさんは現場にも霊を連れて?
タニシ:僕は撮影した動画を持ってきていただけですよ。
加藤:一度、降霊術で(渡辺、加藤、金田昇の3人で)コックリさんのコインを動かしている時に、「誰が誘導してる?」って確認したら、金田くんもしょっぴーも、「え、全然誘導してないんだけど……」ってなって「え? ガチですか?」ってなったことがあったよね。
渡辺:その撮影のとき、タニシさんいました。
タニシ:あぁ、そうでしたね。
加藤:あれは怖かったよね。
渡辺:たしかにあれは怖かった。
タニシ:霊って仲間に入ろうとするんですよ。関わろうとしてはるんです。映画に出たいんじゃない?
渡辺:へえ〜!
加藤:お化け的にもね。
タニシ:だから、コックリさんのときに「今だ!」って思ったんじゃない。
渡辺・加藤:(笑)。
■「まだ売れたい。でも近道はしない」(渡辺)
――霊も映画に出たかったんだろうということですが、前作も今作も、「売れたい!」という思いの強いキャラクターが主人公です。売れっ子のお三方ですが、そうした気持ちは共感できますか?
加藤:もともとタニシさんは、売れるために事故物件に住むようになったんですよね?
タニシ:そうですね。番組企画でしたから。なんの仕事もないときに、やってみようかって。
渡辺:本当に売れるためのきっかけだったんですか?
タニシ:そうです。第1作目の主人公のヤマメがそうだったのと同じですね。映画で「ここもちゃんと入れるんやな」と思ったシーンがあって、ヤマメもヤヒロも、退去するときにちょっと手を合わせるんですよね。あれって大事な気がするんです。ただ売れたいんじゃなくて「ご協力ありがとうございました」みたいな気持ちが出てる。退去時の礼儀ですよね。
――成仏のために手を合わせているだけじゃなくて、「ご協力ありがとうございました」の意味があるんですね。
タニシ:はい。
――渡辺さんは、超売れっ子ですが。
渡辺:いえ、今でこそそう言っていただけますけど、いまでも「まだ売れたいな」と思っています。
加藤:貪欲!
渡辺:貪欲さはあるかもしれないです。天井を見ないようにしているというか。
加藤:ハングリー精神?
渡辺:そうなんですかね。「まだいけるだろう、まだいけるだろう」と思ってました。
加藤:うーん、どこまでいっちゃうんでしょう。
――それはずっと変わらない気持ちでしょうか。
渡辺:そうですね。でも先読みしすぎず、地に足をつけて、目の前のことを1個1個やっていきたいです。できているかわからないけど、真面目でいることが、大事かなと。だから遠くを見ずに割と目の前のことを見ています。着実にやってステップアップしていく。近道しないように。
加藤:読者の方へのアドバイスにもなりますねっ。
――自分にあえて戒めを与えたり、感じる時もありますか?
渡辺:「自分にはできなそうだな」と想像だけで思い込んで、オファーをお断りしてしまった番組とかは、1回やっておけばよかったなと感じます。“なんでもやる”という考え方は大事ですよね。
タニシ:でもこの『事故物件ゾク 恐い間取り』は選んでくださったんですね。
渡辺:これはもう、まさかの自分で主演映画ができるなんて。ワクワクでした。
――加藤さんは。
加藤:全然無名のときに、いろんな番組のホームページのリクエスト欄に「出て欲しい人」で自分の名前をめっちゃ書き込んでました。「見た目とギャップのあるキレキレダンス」踊りますとか書いて(笑)。
タニシ:すごい。努力のあとや。
加藤:あと、SNSで好きな監督をフォローして、その監督がツイートした瞬間に「いいね」を押しまくって、それこそ中田監督とかも大好きだったので、めっちゃ「いいね」押しまくってました。ただ一回、入江悠監督と今泉力哉監督と二宮健監督が、「加藤諒が『いいね』押しまくってきて怖い」って会話してて。
タニシ:バレた。
渡辺:(苦笑)。
加藤:もちろんその会話にも「いいね」しましたよ!
タニシ:止まらない「いいね」。
渡辺:自分で自分をしっかりプロモーションしてたってことですよね。
加藤:そうです、そうです。
渡辺:僕は逆にそういうのは下手で、他の人に「どうぞどうぞ」っていう感じだったんですよね。
――今もですか?
渡辺:今も譲っちゃうところはありますね。
――今回単独初主演を務めて、意識改革はありましたか?
渡辺:完成披露試写会やイベントをさせていただく中で、真ん中にいるのはくすぐったかったです。「オレばっかり喋ってていいのかな」と思っちゃったり。
加藤:ええ〜!
渡辺:「でも主演かぁ。もうちょっと堂々としててもいいのかな」とか。
加藤:でもそれがしょっぴーのいいところだから。ねっ。
渡辺:ありがとうございます!
タニシ:その感じが、ヤヒロにも出てますね。売れたいんだけど、なんか他人を優先するという、なんかね、いいやつ。
渡辺:いいやつです、はい。我ながら(笑)。
(取材・文:MOCHIZUKI 写真:小川遼)
映画『事故物件ゾク 恐い間取り』は公開中。