樹木に埋もれるようにたつ三角形の家=「茨城県つくば市・大塚邸」(C)テレビ朝日 俳優・渡辺篤史が案内役を務めるテレビ朝日の人気番組『渡辺篤史の建もの探訪』(毎週土曜 前4:25)26日放送回では、茨城県つくば市に建つ大塚邸を訪問する。今回の住まいは、建築家が“ななめ”と名付けた独特の構造を持つ家。屋根でもあり壁でもあるその“ななめ”が、景色を切り取り、プライバシーを守り、自然光を導くという多様な役割を果たす。
【写真】建物を覆う巨大な“ななめ”「茨城県つくば市・大塚邸」 大塚邸は、元々そこにあった樹木を避けるように三角形で設計されているのが特徴。家全体を覆う傾斜の大きな構造物“ななめ”は、建築上の象徴となっており、設計段階から多目的に機能することを意図して組み込まれている。
1階は1.8メートル間隔で柱が整然と並び、南側は窓のない壁、北側は一面ガラス窓で構成。“ななめ”が外からの視線を遮りながら、まるで樹木の中に溶け込むような空間を作り出している。床は全てモルタル仕上げで、2階の床兼天井はスノコ状となっており、光や風が心地よく通り抜ける設計だ。
家具類も建物に合わせて特注で制作されており、柱の間隔や形状にぴったりとフィットするように工夫されている。2階も同様に、南側は窓が少なく北側は全面ガラス窓。さらにスノコ床の間隔も“ななめ”の角度に応じて変化させることで、視覚的にも空間に変化を与えている。
仕切りは引き戸と可動棚のみで、住まい手のライフスタイルに応じて柔軟に空間をカスタマイズできるのも魅力のひとつ。“ななめ”というユニークな設計思想が随所に生かされている。
竣工:2024年5月
敷地面積:234.3平方メートル(70.9坪)
建築面積:61.7平方メートル(18.7坪)
延床面積:99.3平方メートル(30.0坪)
構造:木造 一部鉄骨補強
設計:池原靖史+冨山正幸