ホンダのカート育成、HRS鈴鹿が『サマースクール2025』を開催。佐藤琢磨、中野信治、現役ドライバーが講師として参加

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2025年07月25日 11:00  AUTOSPORT web

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サマースクール2025を終えた参加者と講師陣
 ホンダレーシングスクール鈴鹿(HRS)は7月14日、鈴鹿サーキット・南コースにて『EXGEL MAX CHAMP(エクスジェル・マックス・チャンプ)』とコラボレーションしたカートスクール『サマースクール2025』を開催した。

 HRSは技術・精神の両面で世界のトップクラスとして通用するライダー・ドライバーの育成を目的として開講された『鈴鹿サーキットレーシングスクール(SRS)』として開設され以降、1993年から2024年までカートクラス(SRS-Kart/2022年よりHRS鈴鹿カートクラス)を開講していた。

 そんなHRSは、より良いドライバー育成環境を整えるため体制・カリキュラムの見直しを図っており、その一環として、カートクラスの開講は2024年をもっていったん区切りを迎え、現在HRSの四輪カテゴリーは『フォーミュラクラス』に特化したプログラムを展開している。ただHRSは「今なお、カートが果たすモータースポーツ人材育成における役割の重要性を強く認識しており、新たな形でのカート活動について継続的に検討を進めています」としており、今回のサマースクール2025はこうした取り組みの第一弾として実現した。

 サマースクール2025はレーシングカートシリーズ『EXGEL MAX CHAMP』で活躍するドライバーのスキルアップの場を提供することを目的とし、HRSが鈴鹿サーキット・南コースで指導してきたノウハウを活かしたプログラムが設定された。なお、開催前日は鈴鹿サーキット・南コースでEXGEL MAX CHAMP最終戦が行われたこともあり、対象クラスのミニ・マックス、ジュニア・マックス、シニア・マックスの3クラス計47名が国内外から参加することが叶った。

 講師を務めるのは、HRSの佐藤琢磨プリンシパル、中野信治エグゼクティブダイレクター、そしてHRSのインストラクター兼EXGEL MAX CHAMPのドライビングコーチを務めている佐藤蓮、野村勇斗。開会式では佐藤琢磨プリンシパルから、サマースクールの目的や一日の取り組み方の説明にあわせ、安全性の確保とマナーを守ることの重要性、また、レースウイーク翌日のスクール開催ということもあり、レース後は自覚がなくても疲労が蓄積している可能性があることから、自身の体力や集中力としっかり向き合うことの大切さについても話された。

 走行プログラムは、通常の走行に加え専有走行、そしてこれまで指導実績があるHRSだからこそ実現可能なプログラムが揃えられた。その代表的なセッションは安全を確保した上で実施した、逆方向走行だ。走り慣れ、見慣れた鈴鹿サーキット・南コースを逆方向で走るとまったく別のコースとる。適応力が求められる、チャレンジングなセッションは、HRSならではのプログラムだ。そのほか基礎力トレーニングとしてブレーキ練習を実施。コースを走行しているだけでは気付き難い、ブレーキングの特性やコツを佐藤蓮、野村が個別指導した。

 最後には記念レースも実施。1日をとおして参加ドライバーたちが講師陣4名に積極的に声をかけ、直接アドバイスを受ける姿も多く見られた。HRSには、積極性を重視する文化がある。今回のスクールは単なる走行機会ではなく、経験豊富なドライバーである講師と自ら積極的に交流することで、ドライビングスキルに加え、レーシングドライバーに必要な人間性や考え方にも触れる貴重な機会になっただろう。

 今回のサマースクール2025開催を終え、HRSの佐藤琢磨プリンシパルは「3月にMAX CHAMP開幕戦を視察しました。参戦台数も多く、レベルも高い、そして活気あるこの選手権の様子を見て、鈴鹿をフィールドに活動してきたHRSとしても選手のレベルアップ、そして選手権の盛り上げに寄与したいと考え、今回のサマースクール開催を決めました」と、コメント。

「HRSが培ってきた走行プログラムは、選手たちにとって貴重な経験になったと思います。我々としても、次世代を担う優秀な選手たちと充実したコミュニケーションができ、とても有意義な時間を過ごすことができました。何より、選手たちのたくさんの笑顔を見ることが出来、良いスクールになったと思います。今回参加してくれた選手の今後の活躍がとても楽しみです。今後もこのような繋がりを大切にしながら、HRSとして積極的に若手育成に取り組んでまいります。今回ご協力いただきました、EXGELさま、MAX CHAMPに関わるみなさま、そして保護者およびチームスタッフのみなさま、ありがとうございました」

[オートスポーツweb 2025年07月25日]

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