2025年FIA F2第9戦スパ・フランコルシャン 予選を2番手で終えた宮田莉朋(ARTグランプリ/TGR-DC) FIA F2参戦2年目の宮田莉朋(ARTグランプリ/TGR-DC)は今季苦戦が続いていた。そんななか宮田は第9戦スパ・フランコルシャンの予選を自己最高位となる2番手で終えた。27日に開催されるフィーチャーレース(決勝レース2)をフロントロウからスタートを迎える見込みだ。
予選直後に行われた、F1ジャーナリストの尾張正博氏によるインタビューの模様をお届けする。
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──今回、スパで予選2番手を獲得できた要因は?
「ヨーロッパラウンドに入ってから、クルマのパフォーマンスをどう改善するかをチームと考えて臨んできました。そのおかげでクルマは徐々にいい感触を得ていたのですが、エンジントラブルが起きたり、トップスピードで悩まされたり、自分たちではどうすることもできない状況が続いていました。だから、このスパではその普通に走れれば、トップ10という部分はなんとなく見えていて、フリー走行でまずはトップ10に入って、今まで以上に自信を持って予選に臨めました」
──とはいえ、2番手は予想していましたか?
「良くて5番手ぐらいかなと思っていました。いつも、いいアタックをしても、最後に抜かれたりして、なかなかトップ3に入ることができなくて、今回も最後のアタックで出したタイムが(ポールポジションを獲得した)アレクサンダー・ダン(ロダン・モータースポーツ/マクラーレン育成)選手のファーストプッシュとそんなに変わらないタイムだったので、無線で『P2(2番手)』と聞かされたときは、正直ちょっと驚いて、ちょっと半信半疑になってしまいました」
──予選のフロントロウはいつ以来か、覚えていますか?
「2023年の全日本スーパーフォーミュラ選手権第8戦鈴鹿以来ですね。あの時はリアム・ローソン(現レーシングブルズ/当時TEAM MUGEN)とタイトル争いをするなかでのフロントロウでした」
──ヨーロッパに来てから、ずっと苦労してきて、ようやく結果が出ました。
「確かにいろいろな要因で結果がなかなか出せませんでしたが、現場で僕の走りを見てる人はきちんと評価してくれていて、しっかりとサポートしてもらっています。そういう人たちの声を信頼して、これからも焦らずにみんなを信じてやっていくだけです」
──モリゾウさん(トヨタ自動車の豊田章男代表取締役会長)にも感謝していますか?
「はい、モリゾウさんがいなければ、今の僕はありません。モリゾウさんが僕の背中を押してくださり、去年から今年にかけて、なかなか結果を残せないときに、僕のことを気にかけてくれてメッセージを送ってくれました。モリゾウさんからメッセージをもらったときは涙が出るほどうれしかったです。だから、予選だけでなく、レースでもしっかりと結果を出して、期待に応えたいと思いますし、F1ドライバーになって、そこでチャンピオンになるという夢を達成するまで、あきらめずに戦い続けたい」
──角田裕毅選手がレッドブルに乗って戦っていることも刺激になっていますか?
「そうですね。立場は違いますが、彼の気持ちもすごくわかります。日本人がヨーロッパで戦う大変さを理解しています。だからこそ、僕はここで頑張って、さらに次に続く日本人ドライバーが出てくることも願っています」
[オートスポーツweb 2025年07月26日]