「もっと上に行きたかった」余裕のQ3進出。新フロア投入でセットアップは変えずもグリップ改善【角田裕毅F1第13戦展望】

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2025年07月27日 17:00  AUTOSPORT web

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2025年F1第13戦ベルギーGP 角田裕毅(レッドブル)
 F1 Topic(編注:レッドブル、角田にも新型フロアを投入へ。ベルギーGP予選からとテクニカルディレクターが明言/F1 Topic)で伝えたように、ベルギーGPの予選から角田裕毅(レッドブル)がチームメイトのマックス・フェルスタッペンと同じ最新のフロアを装着した。

 最新のフロアを使用できるということ自体は朗報だが、タイミングがスプリント後というのは素直には喜べない状況だった。というのも、スプリントフォーマットではスプリント後、予選までいっさいセッションがないからだ。つまり、角田はぶっつけ本番で最新フロアを搭載したマシンで予選に臨むことになった。

「(フロアを変えるというのは)まったく違うクルマで予選を戦うようなものなので、正直どういう動きをするのかわからないまま予選を戦うことになりました。いまのF1はすごく細かいところまで調整しなければならないので、アップグレードが入ったことはうれしかったですが、少し不安もありました」

 角田には苦い経験がある。今年の第7戦エミリア・ロマーニャGPの予選だ。金曜日からセットアップを大きく変更して臨んだフリー走行3回目で冴えなかった角田は、予選に向けてセットアップを金曜日の仕様に戻した。しかしセットアップを変更したにも関わらず、角田はQ1の1回目のアタックからプッシュし、クラッシュした。

 今回の予選は、フロアを変えたものの、セットアップはスプリントまでと大きく変更しなかった。

「イモラのときとは違って、今回はフロアを変えましたが、クルマの(メカニカルな)セットアップは変えていなかったので、ただダウンフォースが増えてグリップが上がったので、乗りやすかったです」

 それでも、日曜日の天気を考慮して、リヤウイングをローダウンフォース仕様からミディアム・ダウンフォース仕様に変更していたため、Q1の1回目は慎重に走行した。

「(リヤウイングの)ダウンフォースレベルもスプリントの後に変えたので、単純に比較はできませんが、全然違いました。クルマの挙動としては、従来のフロアと似た部分はありますが、乗っていてダウンフォースレベルは全然違います。それはデータ上でわかっていましたが、乗ってみて実感しました。スナップ(オーバーステア)が出ても、対応できました」

 新しいフロアを搭載して、RB21に自信を持てるようになった角田は、Q1の2回目のアタックからプッシュ。Q1を12番手で通過した。

 その自信は、Q2に入ると一気に爆発した。1回目のアタックですべてのセクターを自己ベストを更新する走りで、いきなり5番手のタイムをマーク。2回目のアタックは、セクター1を通過した直後に、Q2を通過することが確実となったため、レースエンジニアのリチャード・ウッドが「タイヤをセーブするため、アタックをやめていい」と無線するほどの余裕のQ3進出だった。

 だがQ3ではQ2のタイムを上回れず、7番手に終わった。

「たぶん、トウが使えなかったからだと思います。トウを取りに行こうとすると、タイヤのウォームアップのこともあって、そこは難しかったです」

 特にレッドブルは日曜日に向けて、リヤのダウンフォースレベルを変えていたため、トウによる影響が大きかったようだ。多くのマシンが走るQ2まで比較的楽にトウを使えたが、Q3に入ると自身以外のマシンは9台となるため、トウを使うのが簡単ではない。

「日曜日だけを考えれば、もっとダウンフォースをつけてもよかったのですが、予選はドライだったので、晴れにも対応しました。それとシルバーストンでの悲劇もあったので、(ギャンブルしないで)どうなっても対応できるようにしました」

 それでも、予選7番手は、サウジアラビアGPの8番手を上回る角田のレッドブル移籍後の予選最高位だ。

「もう少し上へ行きたかったですが、まだすべてのパーツが最新仕様ではないので、いまの仕様でしっかりとポイントを重ねていきたいです」

 カレンダー折り返し後の初戦である第13戦ベルギーGPは、角田にとって、レッドブルドライバーとしての開幕戦となったようだ。

[オートスポーツweb 2025年07月27日]

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