
今回のお悩み「携帯会社を変える時っていろいろとお金がかかりそうで心配……」
通信費を見直そうと思っているのですが、携帯会社を変えるといろいろとお金がかかりそうでなかなか一歩が踏み出せません。携帯会社の乗り換えでかかる費用について教えてください(20代後半/企画職)
■携帯会社を変える時って、どれくらいお金がかかるの?
「乗り換えたいけど、手数料や残債、補償のことがよくわからない」
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そんな声にお応えして、今回は実際にかかる費用の内訳と、気をつけたいポイントをわかりやすく整理しました。ムダな心配を手放して、安心して乗り換えを検討できるようになるはずなので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
■2年縛りの違約金はなし。でも新たな“1年縛り”に注意!
まず、ここ数年で大きく変わった“解約にかかるお金”の仕組みを解説します。
◇昔の「2年縛り違約金」は撤廃済み
かつて約1万円かかっていた“2年縛り”の違約金は、ドコモが2021年10月以降、au/ソフトバンクは2022年春頃に撤廃。旧プランも含め、現在は原則0円です。
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◇“1年以内解約”に対する新たな手数料も
一方で、2024年6月以降はau・UQ mobile、2025年3月以降はドコモで「1年以内に解約すると1,000円前後の手数料」がかかるようになっています。これは、端末割引やキャッシュバックだけを目的に短期で乗り換える利用者への対策として導入されたものです。
ただし、請求額は最大でも1,100円程度。1年以内に解約する予定がなければ、あまり気にしなくてOKです。
かつて約1万円かかっていた“2年縛り”の違約金は、ドコモが2021年10月以降、au/ソフトバンクは2022年春頃に撤廃。旧プランも含め、現在は原則0円です。
■実際にかかる費用は?
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では、現在の制度で実際にかかる費用はどれくらいなのでしょうか? 大きく分けて3つあります。
◇MNP転出手数料は大手3社すべて無料に
以前は3,300円程度かかっていたMNP転出手数料も、2021年4月の制度改定以降は無料に。ドコモ・au・ソフトバンクすべて、オンライン/店頭どちらの手続きでも費用はかかりません。
◇契約事務手数料は3,850円が主流に
新規契約時にかかる事務手数料は、現在は3,850円(税込)が一般的です。ただし、オンライン専用プランやキャンペーンで無料になる場合もあります。申し込み時に確認してみましょう。
◇格安SIMも事務手数料がかかるが、無料にできる方法も
格安SIMでも、基本的に3,300円(税込)の事務手数料が発生します。ですが、Amazonなどで販売されている「エントリーパッケージ」(数百円)を利用すれば、手数料が無料になることも。「初期費用を少しでも抑えたい」方は、この方法をチェックしておくと良いでしょう。
■携帯会社の乗り換えでかかる初期費用の目安は?
初期費用の目安は3,000〜4,000円前後。通信費が毎月数百円〜数千円下がれば、2〜3カ月で元が取れる計算です。
ただし、月100円程度しか安くならないケースでは、回収に時間がかかる可能性もあるため、事前に試算しておくと安心です。
■スマホの残債はどうすれば?
スマホを分割払いで購入している方が不安になるのが、「残債があると乗り換えできないのでは?」という点だと思います。ですが、実際には携帯会社を乗り換えても、端末代金の分割払いは元のキャリアにそのまま支払い続ければOKです。「一括精算します」と申し出なければ、ローン契約はそのまま継続されます。今のスマホをそのまま使いたい方も、安心して乗り換え可能です。
◇端末返却プログラムの返却条件に注意
ただし、ドコモ・au・ソフトバンクでは、返却で残債免除になる「端末返却プログラム」があります。
・ドコモ:以前から「乗り換え後でも返却OK」 ・au/ソフトバンク:今は「回線契約がなくても返却可能」と公式に記載
このとき、2023年以前に契約した古いプランでは、返却時に同じキャリアの契約が条件となっていたケースも。念のため現在の契約内容を確認しておくと安心です。「返却すれば残債免除」と思っていたのに対象外だった――そんな行き違いを避けるためにも、事前の確認が重要です。
◇返却時の“破損”には注意。思わぬ費用になることも
返却時に画面割れや故障があると、22,000円(税込)の破損手数料がかかることがあります。「返却=無料で済む」と思っていた人にとっては、予想外の出費になるケースも。
◇補償は「乗り換え後も継続できるか」確認を
各社の補償サービス(例:ケータイ補償/故障紛失サポート/あんしん保証パック)に加入していれば、破損していても手数料なしで返却できることもあります。
ただし、補償は回線契約と紐づいていることが多く、乗り換えを機に補償が終了してしまう可能性も。「乗り換え後も補償が続くかどうか」、事前にキャリアに確認しておくことが思わぬ出費を防ぐコツです。
■携帯会社の乗り換えは以前より簡単に。気軽に見直してみよう
ここまでのポイントは以下のとおりです。
・違約金やMNP転出手数料は、今はほとんどかからない ・1年以内の解約で、1,100円前後の手数料がかかる場合あり ・新規契約時の事務手数料は、キャンペーンで無料にできることも ・残債があってもそのまま分割払いを継続できるので安心 ・返却時の破損には要注意。補償の継続可否も事前に確認を
携帯会社の乗り換えは、違約金やMNP手数料がほぼ撤廃され、以前よりずっと気軽にできるようになりました。スマホの残債があってもそのまま支払いを続ければOK。返却プログラムを利用中の方は、端末の状態や補償内容をチェックしておけば、ムダな出費も避けられます。不安を減らして、自分に合った選択へ一歩踏み出してみましょう。
令和のマネーハック127
制度が変わり、以前より気軽に携帯会社を乗り換えられるようになっている! 返却プログラムを利用している場合は端末の状態や補償内容を再確認しよう。
専門家に聞きたいお金の悩みを教えてください!
(文:鮎原透仁、イラスト:itabamoe)
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