ポルシェが2冠達成。フォーミュラE最終戦ロンドンはニック・キャシディが2レース制覇

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2025年07月28日 16:10  AUTOSPORT web

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2024/25年フォーミュラE第15戦&第16戦ロンドンE-Prix チームとマニュファクチャラー選手権を制したポルシェ・フォーミュラE
 7月26日(土)〜27日(日)にかけて、イギリス・ロンドンの特設コースにて2024/25年ABB FIAフォーミュラE世界選手権のシーズン最終戦である第15戦&第16戦『ロンドンE-Prix』が行われ、両レースをニック・キャシディ(ジャガーTCSレーシング)が制した。そして、チーム選手権をタグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチームが、マニュファクチャラー選手権をポルシェが制して2冠を達成した。

 前戦ベルリンでオリバー・ローランド(ニッサン・フォーミュラEチーム)のドライバーチャンピオン獲得が決まったフォーミュラEシーズン11。残るチーム選手権とマニュファクチャラー選手権は、首位ポルシェが逃げ切るのか、ニッサンが逆転するのか注目が集まるなか、最終戦ロンドンE-Prixを迎えた。


■先手を打ったキャシディが第15戦を完全攻略

 第15戦のポールポジションはミッチ・エバンス(ジャガーTCSレーシング)が獲得。2番手にはニック・デ・フリース(マヒンドラ・レーシング)がつけ、3番手にチーム選手権首位のタグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチームのパスカル・ヴェアラインが続いた。

 37周のレースとして始まった第15戦は、エバンスがスタートで首位を守ったなか、中団でマキシミリアン・ギュンター(DSペンスキー)がウォールおよび他車にぶつかった影響でダメージを負い、コース上にマシンを停止。そこに玉突き状態となり、レースは早々に仕切り直しに。

 レース再開後は、デ・フリースやヴェアラインらがアタックモードを使用するなか、その隙に2番手に上がったニック・キャシディ(ジャガーTCSレーシング)が先にピットブーストを使用するなど、戦略が分かれる展開に。

 18周目にピットインしたキャシディは、ピットイン組の先頭をリードし、一方でステイ組は27周前後でピットインを選択。その結果、トップでピットに入ったデ・フリースはキャシディの前に合流することに。ここでキャシディはアタックモードを起動してデ・フリースを追いかけ、28周目に首位浮上のオーバーテイクを決めた。

 レースは終盤に差し掛かり、ポールシッターだったエバンスがピットブースト後に合流した隊列内で他車にプッシュされてスピン、さらにダニエル・ティクトゥム(クプラ・キロ)もクラッシュを喫するなど荒れた展開に。しかし、首位争いに大きな影響はなく、トップのキャシディはラストスパートを盤石に走破してトップチェッカーを受けた。2位はデ・フリース、3位はヴェアラインという表彰台となった。

 一方、マニュファクチャラー選手権逆転を目指すニッサン・フォーミュラEチームは、ポイント獲得はノルマン・ナト(ニッサン・フォーミュラEチーム)の9位入賞のみとなり、タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチームとの差が開く結果となった。


■ポルシェがチーム王者獲得。レースはキャシディが完全制圧

 翌日の第16戦は、今季シーズン11の最終戦となる。ポールポジションは好調キャシディが手にし、2番手には前日の挽回を期するギュンターがつけた。3番手はエバンス、4番手はヴェアラインというセカンドロウとなり、マニュファクチャラー選手権争いはこの日もポルシェがリードする展開となる。

 迎えたスタートはキャシディがトップをキープ。1周目こそトップ3は順位を維持していたが、以降は激しいポジション争いが展開され、前日2位のデ・フリースがこの日もキャシディに次ぐ2番手に浮上。さらに、10番手スタートのオリバー・ローランド(ニッサン・フォーミュラEチーム)もオーバーテイクを繰り返して3番手まで上がってきた。

 僚友ノルマン・ナト(ニッサン・フォーミュラEチーム)も、ローランドに続こうと力走していたが、9周目にテイラー・バーナード(ネオム・マクラーレン・フォーミュラEチーム)と激しくヒットしてしまい、2台ともに戦列を去ることに。

 さらに、デ・フリースと2番手を争っていたローランドは、激しいバトルでペースが上下していた状況でニコ・ミューラー(アンドレッティ・フォーミュラE)に追いつかれ、16周目にサイド・バイ・サイドに。その結果、1コーナーでローランドは若干のオーバーランし、ウォールとミーュラー車のリヤに挟まれる形でヒット。ダメージを追ったことでリタイアとなってしまった。

 この接触でセーフティカー導入となり、レースは残り15周ほどの戦いに。リスタート後、首位キャシディは早々にリードを築き、さらにエバンスも前日の挽回を期するべく、デ・フリースをパスして2番手に上がってきた。

 ジャガーTCSレーシングのワン・ツー体制が構築されたが、それでもこの日のキャシディの速さは別次元。残る周回数すべてを使ってリードをひろげ、独走状態で2日連続のトップチェッカーを受けた。

 2位フィニッシュとなったエバンスは、フルコースイエロー中のスピード違反によって5秒のタイムペナルティを受けたため、5位降格に。代わりにデ・フリースが2位、さらに繰り上がりでセバスチャン・ブエミ(エンビジョン・レーシング)が3位表彰台を獲得した。

 これで、フォーミュラEシーズン11の全レースが終了。ドライバー選手権の王者は前戦で確定したローランドが獲得。チーム選手権はタグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチームがチャンピオンを手にし、パワートレインマニュファクチャラー同士の争いであるマニュファクチャラー選手権もポルシェが制した。最終的にニッサンはチーム、マニュファクチャラーともにジャガーに逆転されて3位でシーズンを終えた。


■2024/25年フォーミュラE第15戦ロンドン 決勝結果



Pos./No./Driver/Team/Time / Gap
1/37/N.キャシディ/ジャガーTCSレーシング/51’15.991
2/21/N.デ・フリース/マヒンドラ・レーシング/+1.578
3/1/P.ヴェアライン/タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム/+2.634
4/2/S.バンドーン/マセラティMSGレーシング/+3.838
5/25/J-E.ベルニュ/DSペンスキー/+5.571
6/48/E.モルタラ/マヒンドラ・レーシング/+6.056
7/4/R.フラインス/エンビジョン・レーシング/+8.365
8/27/J.デニス/アンドレッティ・フォーミュラE/+9.387
9/17/N.ナト/ニッサン・フォーミュラEチーム/+10.164
10/9/M.エバンス/ジャガーTCSレーシング/+13.382
11/23/O.ローランド/ニッサン・フォーミュラEチーム/+14.680
12/3/D.ベックマン/クプラ・キロ/+15.070
13/5/T.バーナード/ネオム・マクラーレン・フォーミュラEチーム/+15.729
14/13/A.F.ダ・コスタ/タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム/+16.425
15/51/N.ミューラー/アンドレッティ・フォーミュラE/+17.851
16/16/S.ブエミ/エンビジョン・レーシング/+17.943
17/11/L.ディ・グラッシ/ローラ・ヤマハABTフォーミュラEチーム/+31.596
/8/S.バード/ネオム・マクラーレン・フォーミュラEチーム/DNF
/33/D.ティクトゥム/クプラ・キロ/DNF
/22/Z.マローニ/ローラ・ヤマハABTフォーミュラEチーム/DNF
/55/J.ヒューズ/マセラティMSGレーシング/DNF
/7/M.ギュンター/DSペンスキー/DNF



■2024/25年フォーミュラE第16戦ロンドン 決勝結果



Pos./No./Driver/Team/Time / Gap
1/37/N.キャシディ/ジャガーTCSレーシング/47’25.718
2/21/N.デ・フリース/マヒンドラ・レーシング/+13.581
3/16/S.ブエミ/エンビジョン・レーシング/+14.964
4/27/J.デニス/アンドレッティ・フォーミュラE/+15.610
5/9/M.エバンス/ジャガーTCSレーシング/+18.129
6/13/A.F.ダ・コスタ/タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム/+18.428
7/7/M.ギュンター/DSペンスキー/+19.106
8/1/P.ヴェアライン/タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム/+21.431
9/11/L.ディ・グラッシ/ローラ・ヤマハABTフォーミュラEチーム/+22.693
10/3/D.ベックマン/クプラ・キロ/+23.388
11/17/N.ナト/ニッサン・フォーミュラEチーム/+24.292
12/2/S.バンドーン/マセラティMSGレーシング/+24.605
13/4/R.フラインス/エンビジョン・レーシング/+25.464
14/33/D.ティクトゥム/クプラ・キロ/+26.085
15/25/J-E.ベルニュ/DSペンスキー/+31.112
16/22/Z.マローニ/ローラ・ヤマハABTフォーミュラEチーム/+1’01.900
17/55/J.ヒューズ/マセラティMSGレーシング/+1’09.846
/8/S.バード/ネオム・マクラーレン・フォーミュラEチーム/DNF
/23/O.ローランド/ニッサン・フォーミュラEチーム/DNF
/51/N.ミューラー/アンドレッティ・フォーミュラE/DNF
/5/T.バーナード/ネオム・マクラーレン・フォーミュラEチーム/DNF
/48/E.モルタラ/マヒンドラ・レーシング/DNF

[オートスポーツweb 2025年07月28日]

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