「タローマン電車」運行開始、藤井亮監督「岡本太郎の名言で乗客の気持ちが動けばうれしい」

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2025年07月28日 17:45  ORICON NEWS

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映画『大長編 タローマン 万博大爆発』「タローマン電車」お披露目会に出席した(左から)タローマン、藤井亮監督 (C)ORICON NewS inc.
 東急田園都市線の1編成を、映画『大長編 タローマン 万博大爆発』がジャックした「タローマン電車」が、28日より期間限定で運行を開始した。長津田検車区でお披露目会が行われ、藤井亮監督とタローマンが出席した。

【写真】「タローマン電車」の前で決めポーズ!大迫力のタローマン

 同映画は、「1970年代に放送された特撮ヒーロー番組」という設定のもと、岡本太郎(日本を代表する芸術)と特撮(日本を代表するエンタメ)を融合させた、1話5分のNHK Eテレ番組『TAROMAN 岡本太郎式特撮活劇』を長編化した作品。

 インタビューに応じた藤井監督は、「まさかこの『タローマン』という小規模な手作り作品が、こうした大きな“舞台”で展開されるとは……感動というか、ありがたい気持ちです」と感慨深げに語った。

 「タローマン電車」は、中吊り、窓上、ドア横のポスターや装飾、モニター映像まですべてがタローマン一色に染まり、岡本太郎の12の名言も随所にちりばめられている。コンセプトやデザインも藤井監督が手がけており、「全車両を飾れる機会はなかなかないので、赤一色でインパクトを出しました。通勤・通学の途中、乗客の方が岡本太郎の言葉を見て励まされるのか、あるいはちょっとへこむのかはわかりませんが、少しでも感情が動けばうれしいです」と語った。

 同映画は、カナダで開催中の北米最大級の映画祭「ファンタジア国際映画祭」(7月17日〜8月3日)のクロージング作品に選ばれ、現地時間8月3日に上映予定。映画祭の締めくくりという重要な枠には、これまで『イングロリアス・バスターズ』(2009年)や『妖怪大戦争 ガーディアンズ』(2021年)などが選ばれており、映画祭の象徴となる作品が並ぶ。その中に『大長編 タローマン 万博大爆発』も名を連ねることになり、世界からも注目が集まっている。

 藤井監督は「樋口真嗣監督から『濃すぎる105分』という言葉をいただきました。5分の“デタラメ感”を壊さずに105分に引き延ばすという目標は達成できたと思っています」と語る。さらに、「海外の方がどう受け止めるのかは、正直全く想像がつきません。岡本太郎のことを知らず、日本語もわからない方がどう感じるのか……非常に怖いですが、楽しみでもあります。CGを駆使したハリウッド映画に慣れている方にとって、“アナログな作り方”の特撮映画は逆に新鮮に映るかもしれません。そうしたところを楽しんでいただけたらうれしいです」と期待を口にした。

 日本国内でも、岡本太郎やその作品を知らない子どもたちから「タローマンが好き」というファンレターが届いているという。「子どもたちは岡本太郎を知らなくても、“タローマン”のデタラメさを純粋に楽しんでいます。彼らが入口となって、岡本太郎に興味を持ってくれたらうれしいです」と、藤井監督は確かな手応えを語っていた。

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