28日の自民党両院議員懇談会での石破茂首相(党総裁)の発言要旨は次の通り。
先般の選挙、大変厳しい結果となった。多くの同志が議席を失った。深く心からおわび申し上げる。
なぜこのような結果となったか、虚心坦懐(たんかい)に反省し、考えを巡らせてきた。国民の多様な意見に真摯(しんし)に耳を傾けたい。政策が届かなかったのか、党の在り方に批判があったのか、ということをよく考えていきたい。
かつて私どもは下野したことがある。私は政調会長を務めていた。地方の方々、青年の方々、女性の方々、多くの意見を承ってきた。皆さま方の声を率直に、謙虚に、真摯に聴かねばならない。
そして私どもは、この国の在り方、国家国民に責任を持たねばならない。常に責任政党を標ぼうしているのはそういうことだ。
トランプ米大統領との間で関税交渉が決着した。確実に(実行に)移されるよう最大限の努力をしていかなければならない。それぞれの地域で、自分が米国に輸出している品目はどうなるのか。これから先の資金繰りはどうなるか。そういうことに万全の対応をしていかねばならない。
米国と欧州連合(EU)が関税交渉の大枠合意をしたという報道があった。日米合意が一つの基礎となっている。この合意は日米のみならず、これから先の世界の貿易の在り方を律するものになる。そうであるだけに、合意の着実な実行に全力を尽くし、万全を期したい。
党としていかにあるべきかについての徹底的な議論。一言で言えば、自民党はわれわれの思いを分かったんだね、という得心を国民にいただくことが重要だ。そのために最大限の努力をし、国家国民に対し、決して政治空白を生むことがないよう責任を果たしていきたい。
投開票日翌日、私は記者会見で「赤心奉国」というあまり耳慣れない言葉を口にした。一切の偽りのない心で、うそのない心で、国家国民のために尽くす。その思いでこれから先、臨んでまいりたい。自民党が信頼を回復し、国家国民の将来、世界のために責任を果たすべく、意見を承りたい。