記者団の取材に応じる笹川博義農林水産副大臣=29日、東京・永田町の自民党本部 自民党は29日の役員会で、参院選の惨敗を受けて両院議員総会を近く開催する方針を決めた。28日の両院議員懇談会と異なり、総会は正式な意思決定の場。石破茂首相(党総裁)の即時辞任を訴える議員らは改めて敗北の責任を俎上(そじょう)に載せ、総裁選の前倒し実施なども要求して早期退陣につなげたい考えだ。
両院総会は8月上旬にも開催される。首相は役員会後、首相官邸で記者団に「丁寧に、真摯(しんし)に、逃げずに説明することに尽きる」と述べ、続投に重ねて理解を求める考えを示した。
一方、「ポスト石破」の一人に挙がる茂木敏充前幹事長は、首相に厳しい姿勢を示す麻生太郎最高顧問を衆院議員会館の事務所に訪ね、30分ほど意見交換した。
党則は両院総会について「党運営や国会活動に関する特に重要な事項を審議決定する」と規定。「特に緊急を要する事項」は、一定の定足数を満たせば党大会の議決に代えることができるとする。ただ、党事務局は「総裁の身分に関する決定はできない」との立場を取る。
両院総会は、党所属国会議員の3分の1以上から要求があれば開かなければならない。「石破降ろし」に動く旧茂木派や旧安倍派の一部議員はこの条件をクリアする署名を集め終えたとしている。
これに対し、森山裕幹事長は29日の記者会見で「両院懇で(総会開催を求める)意見があった。尊重すべきものだ」と述べ、執行部の判断で決めたと説明した。
署名集めに中心的な役割を担う旧茂木派の笹川博義農林水産副大臣は29日、有村治子両院議員総会長と党本部で会談。この後、記者団の取材に応じ、両院総会は1回で終わるとは限らないとして、現段階で署名を提出しない考えを明らかにした。総会での要求事項は「有志の皆さんと協議する」と語った。