2025年F1第13戦ベルギーGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル) 2025年F1第13戦ベルギーGPのスタートを80分遅らせるというレースディレクションの決定を、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)とルイス・ハミルトン(フェラーリ)が批判した。この判断を批判したドライバーはフェルスタッペンとハミルトン(フェラーリ)のふたりだけで、フェルスタッペンは、全員がスリックタイヤに交換する前に、レースの5分の1しかウエットコンディションで走れなかったという事実に非常に憤慨していた。
ベルギーGPの決勝レースは、セーフティカー(SC)先導でのフォーメーションラップが半分を過ぎた頃にスタート手順が中断され、全員がピットレーンに戻り1時間以上待機することになった。レースディレクターが最終的にレース開始に十分安全な状況だと判断を下すと、全員がSCの先導で4周を走行し、5周目にグリーンフラッグが振られた。手ごわいオー・ルージュのコーナーと、非常に長いケメルストレートを含む最初のセクターを除けば、ターマックはすぐに乾き、11周目が終わった時点でハミルトン、ピエール・ガスリー(アルピーヌ)、ニコ・ヒュルケンベルグ(キック・ザウバー)、フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)らがピットインしてスリックタイヤを装着し、他のドライバーたちもそれに続いた。
高ダウンフォースのセットアップに賭け、極度のウエットコンディションでも大きな進歩を遂げられるとわかっていたフェルスタッペンにとって、この判断は不都合なものだった。フェルスタッペンは次のように説明した。
「セットアップを選んだが、ほとんどスリックのコンディションでしか走行できなかったので、少しがっかりした。もちろん、僕たちはシルバーストンの後で話し合い、さらに慎重に判断を下すことに同意したが、状況は僕にとっては正反対ということになった」
フェルスタッペンは、雨など降っていなかったのでレースはすぐに3時にスタートすべきだった、とまで主張した。
「ターン1とターン5の間にはかなりの量の水があったが、セーフティカーの後ろで2周走っていたら、水はもっとはけていただろう。そして、いずれにしてもコースの残りの部分は準備ができていた。少々残念だ。もちろん、シルバーストンのことで少しは慎重になるだろうとは思っていたが、これも意味がなかった」
フェルスタッペンは話すにつれて怒りを募らせ、「それなら完全に乾くまで待つとしよう。そして、6時にスタートするんだ。なぜなら、僕にとってこれは本当のウエットレースではないからね」と述べた。
「これは誰にとっても少々残念なことだと思う。昔ながらのウエットレースはもう見られなくなるだろう。ウエットレースをもとにして、すべての判断が下されるので、レース全体が台無しになってしまうようだ」
序盤の周回で最も順位を上げたドライバーであるハミルトンは、ピットレーンからスタートし、最大のダウンフォースを得るため、マシンのセットアップを変更することで恩恵を受けた。当然ながら、フェルスタッペン同様に7度の世界チャンピオンは、もっと早くレースを始める意欲があったが、ライバルほど批判的ではなかった。
ハミルトンは、「スタンディングスタートは間違いなくできたはずだ。特にスタートを遅らせた後は、ほぼドライラインだったからね」と語った。
「今日起こったことは、シルバーストンへの反応に過ぎなかった。僕たちは腰を据えてそのことについて話した。ドライバーたちは、『前回のレースではリスタートすべきではなかった』と言っていた。だから、彼らは視界に集中していたのだと思う。前方の誰かが、視界が非常に悪くてよくない状況だったと言った途端、それがすべてということになった。でも、前回のレースほど悪くはなかった。彼らはただ念のために待っていたんだと思う」
「そうは言っても、彼らはいい仕事をした。もちろん、エクストリームウエットのレースを逃してしまったが、それでもよかったと思う。でもどういうわけか、ここの水しぶきは本当に霧のなかを進んでいくような感じだ」
[オートスポーツweb 2025年07月30日]