2025年F1第13戦ベルギーGP アトラシアン・ウイリアムズ・レーシングの首脳陣。一番右に座っているのがジェームズ・ボウルズ代表 ウイリアムズは、長年ザウバーの最高執行責任者(COO)を務めてきたアクセル・クルーゼが、9月1日付けでウイリアムズに移籍し、チーフ・オペレーション・ディレクターに就任することを発表した。クルーゼは、ウイリアムズで2年間を過ごした後に母国カナダに帰国する予定の、フレデリック・ブルーソーの後任となる。
クルーゼのウイリアムズ移籍は、ある意味では古巣への帰還とも言える。同氏は以前、ドイツの自動車メーカーであるBMWがウイリアムズと提携していた2000年から2005年にかけて、BMWでエンジニアを務めていたからだ。この時代、チームは2002年と2003年にコンストラクターズ選手権で2位を獲得するなど、目覚ましい成功を収めた。
クルーゼは復帰に思いを馳せ、来たる機会に意欲を示した。
「ウイリアムズ・レーシングに加入することにとても興奮しているし、スタートするのが待ちきれない思いだ。ウイリアムズは大きな野心と勢いを持つ象徴的なF1チームであり、私はグローブの全員と協力してコース上で成功を収めることを楽しみにしている」
「若いエンジニアだったとき、私はチームのプロフェッショナリズムと情熱を間近で見た。我々がコンストラクターズ選手権で2位になったときのことだ。まだやり残した仕事がある。目標は1位でフィニッシュすることだ」
「ウイリアムズは近年、困難に直面してきた。2022年にはコンストラクターズランキングで最下位となった。しかし、チームは2025年に回復の兆しを見せており、13ラウンドを終えた現在、チャンピオンシップで5位を維持している」
クルーゼの任命は、ウイリアムズが事業を強化し、グリッドの最前線に復帰するための継続的な取り組みと時を同じくしている。
チーム代表のジェームズ・ボウルズはクルーゼの加入を歓迎し、チームの変革を継続する上での彼の役割を強調した。
「グリッドの最前線に戻るという目標を達成するために必要な人材、技術、インフラへの投資を続けるなかで、アクセルをウイリアムズ・レーシングに迎えることができてうれしく思う」とボウルズは語った。
「アクセルは、F1パドックから我々に加わったトップクラスの人材だ。我々の運営を完全なチャンピオンシップレベルにするためにフレッド(フレデリック・ブルーソー)が始めた重要な仕事を引き継いでくれるだろう」
「フレッドのこれまでの功績に感謝したい。我々はみな、カナダに帰国する彼の幸運を祈っている」
航空宇宙大手企業であるプラット・アンド・ホイットニーで26年間のキャリアを積んだ後、2023年4月にウイリアムズに加入したブルーソーは、チームでの日々や最近の進歩について振り返り、「過去2年間、我々は積極的に変革の取り組みを進めてきたが、現在では業績とコース上のパフォーマンスの両面で、明らかな進歩の兆しが見え始めている」とブルーソーは述べた。
「組織全体において、この持続可能で前向きな勢いが生まれているので、私が帰国して自分の旅の次の章を始めるにはちょうどよい時期だと感じている」
「我々がともに成し遂げたことを非常に誇りに思っている。そして何よりも、ウイリアムズの真髄である人々の情熱と献身に感謝している。このチームとF1の世界に迎えられたことは、真の恩恵だった」
ウイリアムズは、クルーゼの加入に加えて、2024年にアルピーヌからチームに加わったマット・ハーマンが、デザインディレクターからエンジニアリング担当テクニカルディレクターに昇進することも発表した。この動きは、F1における競争力の回復を目指し、チームが技術面および運営面でのリーダーシップを強化するという決意をさらに強調するものだ。クルーゼが持つウイリアムズの文化に関する豊富な経験と知識がチームの最近の上昇傾向と組み合わさり、グリッドのトップに向けて突き進み続けるこの歴史あるチームの、刺激的な新しい章の始まりを告げている。
[オートスポーツweb 2025年07月30日]