ポルシェ・ワークスであるPPMの6号車ポルシェ963をドライブするキャンベルとマシュー・ジャミネは、ワトキンス・グレンでの今季第6戦で4位に入賞し、ポイントリーダーの座を奪い取った。このレースではそれまでチャンピオンシップをリードしていたニック・タンディ／フェリペ・ナッセ組の7号車ポルシェ963が、変化の激しいコンデションのなかでクラッシュを喫している。
今週末にロード・アメリカで開催される『モチュール・スポーツカー・グランプリ』を前にして、6号車と7号車とポイント差はわずか12ポイント。そしてこの第8戦はGTPによるスプリントレースとしては今季最後のイベントとなる。
さらにジャミネ／キャンベル組6号車は、ランキング3位につけているアキュラ・メイヤー・シャンク・レーシングのレンガー・バン・デル・ザンデ／ニック・イェロリー組（93号車アキュラARX-06）に262ポイントという大差をつけていることから、今後のレースでどちらかの963が大きな挫折を喫しない限り、チャンピオンシップは2台のポルシェの間で決着する可能性が高いとみられている。
「7号車と僕たち6号車は非常に接戦だ」とキャンベルは語った。「シーズン終盤に向けて、この2台で激しい争いになることは間違いないだろう」
「僕にとって、最終戦のプチ・ル・マン（ロード・アトランタ10時間）もっとも好きなレースのひとつだ。正直とても興奮しているよ。そこではいつも素晴らしいレースが展開されるんだ。だからきっと、そこでの結果が最終的な勝敗を分けるだろうね」
「もちろん、ロード・アメリカとインディアナポリスもある。エキサイティングなレースがいくつか残っているし、間違いなく興奮はさらに高まるだろう」
「様子を見守るしかないよ。決して先を見すぎているわけではない。まだ3レース残っていて、ポイントを失うのもとても簡単だ。今後もこれまで同じように取り組み、ミスを最小限に抑えなければならない」
「僕らは自分の役割に集中する必要があり、とくに僕とマシューの6号車にとっては重要なんだ。残りは自然に解決されることを願っているよ」
■残り3レース。「まだ充分に戦える」
対する7号車のナッセは、タンディとともにデイトナ24時間、セブリング12時間、ロングビーチの開幕3戦を制す、これ以上ないスタートダッシュを決めてみせた。彼らがリタイアを喫したワトキンス・グレン以前に表彰台を逃したのは一度だけだった。
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「現在、チームの2台がチャンピオンシップで1位と2位につけているのは良いことだ。もっとも重要なのは、もちろんチームとメーカーのチャンピオンシップだ。他の競合チームとの差を広げることを最優先に考えている。しかし、残念ながらワトキンス・グレンでは悪いレースとなってしまった」
「だが、7号車は年間を通じて強さを維持している。年初に3連勝を挙げ、以降も一貫したパフォーマンスを維持してきた。ワトキンスでのレースはたまたま悪い結果になったが、ポジティブな面としては、追いつかれるまでにはまだ少しギャップがあった」
「その差はほぼ消えてしまったが、残り3レースではまだ充分に戦える。素晴らしい会場、素晴らしいコースが待っているんだ」
「さらには耐久イベントも残っている。この選手権では長距離レースがいつも楽しいんだ。だからワクワクしているよ」
■「醜いこと」はしないと明言
ポルシェのLMDhファクトリーディレクターを務めるウルス・クラトルは、ファクトリープログラムで歴史的に行われてきたようなチームオーダーを出さないことを強調した。
「それは挑戦なのかというと、そうではない」とクラトルは述べた。
「レース前のドライバー全員に向けて行われる有名なスピーチがある。どのチームも同じことをしていると思うが、その一部は『姉妹車が接触するのは、絶対に見たくない』というものだ」
「我々は非常にプロフェッショナルなドライバーとピットクルーを擁しており、昨年や今年の多くの機会でそうだったように、状況に適切に対応していく。正直なところ、我々としてはポルシェが勝てば満足なので、この点で特別な挑戦はないと考えている」
また、彼は「チームオーダーとは、つねに醜いものだ」と付け加えた。
「ときには後方のドライバーが新しいタイヤを装着していることを伝える必要があり、オフセット戦略の状況では、後方のチームメイトが速いことを思い出させ『当面は彼に追い越させるべきだ』と伝えることがある」
「これらはレースにおけるシナリオだ。ほとんどのチームは時々そのような状況に直面する。しかし今のところ、それ以上のことを指示する必要はない」
「ロード・アトランタのファイナルラップで6号車と7号車がチャンピオンシップを争う場面が訪れたとしても、クルマ同士の接触がなければ我々は問題ない」
[オートスポーツweb 2025年07月31日]
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