度重なるカレンダー改訂を経て迎えた7月25〜27日のウルグアイ・ツアー第2ラウンドは、同地ビクター・ボラット・ファビニ・サーキットで『ペリメトラル』と呼ばれる12番レイアウトでの開催に。全長3125mで12のコーナーを有する時計回りのサーキットが設定され、昨年にも同地で初開催されたSCBストックカー・ブラジル“プロシリーズ”と同じレイアウトを採用。低中速コーナーが連続するテクニカルセクションは、ビーチに隣接する立地条件からドライバーにとってコース上に残る大量の砂が大きな課題となる。
そんななか、アウトドローモ・デ・メルセデスで同月上旬に開催された前戦同様、走り出しからネルソン・ピケJr.（ホンダYPFレーシング／FL5型ホンダ・シビック・タイプR TCR）が主導権を握る展開となり、このTCRラウンドを前にしたSCBでは、ミツビシ・エクリプスクロスを操って今季初勝利を手にしている好調な男が、最低気温8度、最高気温は11度という極寒のコンディションのもと3戦連続のポールポジションを射止めた。
「マシンは非常に良好で、昨年（SCBで）エル・ピナールに訪れた際に、このトラックの感触を少し掴んでいたのが役立ったね」と続けたピケJr.は、昨季まで同じFL5型シビック・タイプRで戦っていたファン-マヌエル・カゼッラの持つレコードタイムを1.3秒も更新してみせた。
「今朝からマシンは完璧だった。次はポールポジションを明日の勝利につなげる番だ。集中していくよ」と40歳の誕生日を翌日に控えたピケJr.には、ドライバーズブリーフィングにてチームメイトやライバルからポール獲得の栄誉も称え「ハッピーバースデイ」の合唱が贈られた。
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「結果とチームには非常に満足しているが、マシンのペースについてはそれほど満足していない。それでも素晴らしいリザルトだけどね！」と続けたリオネル。
「ホンダ、チーム、そして僕らを後押ししてくれたすべてのスポンサーや友人たちに祝福を送りたい。今、僕らは素晴らしいレベルにある。そしてもちろん、ネルシーニョにも感謝の意を表したいよ。今季すべてのレースで、彼は素晴らしいチームメイトであることを証明してくれている」
そう称賛されたピケJr.は、自らのバースデイウインを逃した敗因について「やはりスタートが良くなく、残念ながらセーフティカーが何度か出動したことで、さらに勝利を目指して戦う時間を失ってしまった」と肩を落とした。
引き続き、路面温度わずか17度という厳しい条件で争われたレース2は、フロントロウ発進だったレイスのクプラが、同ラウンドより再参戦を果たしたトヨタ・カローラGRS TCRを操るリバースポールのカルロス・シルバ（パラディーニ・レーシング）を早々に仕留め首位に浮上。
終盤にはホンダ勢のふたりが、それぞれ後方から追い上げる渦中のバトルにより、接触ダメージのパンクでピットインも余儀なくされるなか、前戦メルセデスのレース2勝者であるファン-アンヘル・ロッソ（パラディーニ・レーシング／リンク＆コー03 TCR）や、こちらも同ラウンドよりシリーズ復帰のベンジャミン・ハイツ（PMOレーシング／プジョー308 TCR）らを従え、レイスが折り返しのシーズン後半戦への弾みとなる今季初勝利を手にした。
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これで後半戦突入のシリーズはウルグアイ・ラウンドを終え、依然としてペーニャが406ポイントで首位をキープ。週末それぞれ3位と4位を獲得したディフェンディングチャンピオンのペドロ・カルドゥソ（PMOレーシング／プジョー308 TCR）が85ポイントの差で続くことに。
明けた8月からは最終決戦の地ブラジルへと入国し、ここで4戦を開催。その幕開けたる第7戦は、8月15〜17日にベロオリゾンテの北150kmに位置するシルクイート・ドス・クリスタイスにて、SCBとの併催ラウンドが予定されている。
[オートスポーツweb 2025年07月31日]
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