初の主催ライブイベント『A.B.C-Z CONNECTION Vol.1』を開催したA.B.C-Z 4人組グループ・A.B.C-Zが、7月24日、25日にわたってパシフィコ横浜 国立大ホールにて初の主催ライブイベント『A.B.C-Z CONNECTION Vol.1』を開催。24日にはムード歌謡コーラスグループ・純烈が、25日にはタレントとしても活躍するDAIGOがボーカルを務めるロックバンド・BREAKERZがゲスト出演し、各グループによる個性豊かなライブパフォーマンスと一夜限りの豪華コラボで会場を盛り上げた。このほど、ライブオフィシャルレポートが到着した。
【写真】純烈&BREAKERZともコラボ 前代未聞の異色ツーマンということで、出演者も観客も手探り状態で始まった本イベント。オープニングには両日とも、主催者のA.B.C-Z(橋本良亮、戸塚祥太、五関晃一、塚田僚一)が登場した。
1日目は戸塚が「今日は純烈さんとのコネクションということで、今までに見たことのないA.B.C-Z、今までに見たことのない純烈さん、そして今までに見たことのないファンの皆さまの姿……みんなで新しい景色を見たいと思います」と語り、2日目はBREAKERZが対バン相手ということを踏まえて、ロックバージョンの橋本が「みなさん、盛り上がる準備できてますか!?いけんのかい!?もっと!」とシャウト。塚田考案の「エビ!」「コネ!」のコール&レスポンスで場を温めると、五関による「エビコネ、開演!」宣言でゲストにバトンを渡した。
まずは1日目。純烈(酒井一圭、白川裕二郎、後上翔太)がSEに乗ってステージに現れると、A.B.C-Zのスタンディングライブが身体に身に着いている観客は一斉に立ち上がり、スタンバイ。そんな中1曲目に披露したのは、ダチョウ倶楽部とのユニット“純烈(温泉マーク)ダチョウ”として発表した「白い雲のように」だった。
猿岩石の人気曲カバーということもあり、初見の観客に向けたつかみとしてはピッタリの楽曲だが、ゆったりとした曲調だけあってスロースタートといった印象だ。とはいえ、とまどいながらもペンライトでリズムを刻み、メンバーを温かく迎え入れる“ぼたん”(A.B.C-Zファンネーム)。
2024年発売のシングル曲「夢みた果実」では、力士→戦隊ヒーロー俳優→歌手という異色の経歴を持つ白川のキメゼリフ「お前どうしてそんなに可愛いの?」に黄色い声が上がる。深みのある歌声と美しいハーモニーに、純烈を初めて観た観客もうっとりと酔いしれていた。
そして純烈のライブの大きな魅力と言えば、なんといっても、アウェイな場での営業活動で磨かれたトーク力と、観客との距離の近さ。リーダー酒井が「まずはみなさんにお願いがございます。ご着席ください。純烈のこういうステージは座るのよ」という一言で、パシフィコ横浜を純烈にとっておなじみの健康センター(ホーム)に変えると、3人のユーモアあふれるMCに観客は大爆笑。純烈のファン受けを意識した昭和歌謡のカバーを艶やかな美声で届けつつ、観客1人1人と握手をする勢いで1階の客席を練り歩く。A.B.C-Zと同世代の最年少・後上が「2階、3階のみなさんもありがとうございます!」と爽やかに手を振れば、上の階からも明るい声が降ってきた。
後半のMCでは、A.B.C-Zとはメンバー脱退を経験していることや活動歴が長いところが共通していると語った上で、ぼたんに「(年配のファンが多い純烈と同じく、メンバーがファンの人生を最後まで見届けられるように)A.B.C-Zのことも長く応援してください!」と呼びかける場面も。
自虐ネタを盛り込んだトークで観客の心をガッツリつかんだ後は、キュート&コミカルなダンスが目を惹(ひ)く「二人だけの秘密」やタオル回し曲「バッチグー」など、ノリやすいアップテンポの楽曲を連発。着席しながら盛り上がるという新感覚のライブ体験を届け、3人は満足そうな笑顔でステージを後にした。
2日目のBREAKERZは、メンバーの紹介VTRで期待を煽りながら、SHINPEI(Gt)、AKIHIDE(Gt)が順番にステージに登場。ステージ中央から満を持して現れたDAIGO(Vo)の「拳上げろー!」というシャウトに呼応して、1曲目「WE GO」から総立ちの客席は大きく揺れた。
オープニングでA.B.C-Zメンバーは、ファンはバンド慣れしていない観客が多いだろうと予想していたが、DAIGOがまとう赤い衣装やステージライトとリンクして、客席が赤一色に染まれば、そこはもうBREAKERZのワンマン会場といった雰囲気。MCでDAIGOが「サブスクで上位の曲たちをやりたいと思います(笑)」と話して笑いを誘っていたように、五関の推し曲「Miss Mystery」をはじめとした選曲の多くが人気TVアニメ『名探偵コナン』のオープニングテーマだったことも、バンド初心者が没入しやすいポイントだったのだろう。
ちなみに、今回の出演はDAIGOと五関がeスポーツ応援番組『eGG』で共演していた縁で決まったそうだが、DAIGOは橋本が9月に出演する舞台『謎解きはディナーのあとで』に自身もかつて出演していたことから、そこにも縁を感じているとコメント。
そのほかにも、BREAKERZの筋肉担当・SHINPEIがA.B.C-Zの筋肉担当・塚田と念願の“筋肉コネクション”を果たした楽屋エピソードや、今回共演するにあたり、戸塚が出演中のドラマ『極道上司に愛されたら』を観てきたというAKIHIDEが「極道上司の部下になるつもりでまいりました!」とあいさつする姿など、A.B.C-Z4人へのリスペクトを感じる、ファンに寄り添ったライブが展開されていた。
その一方、DAI語で「“ABCZ”……A.B.C-ZとBREAKERZとCONNECTIONしようZE!」と宣言した通り、後半には普段のBREAKERZらしい攻めた楽曲も投下。「ドMな曲」と紹介された「REAL LOVE」の曲中、AKIHIDEの首輪につないだリードをDAIGOが引っ張りキスすると、予想外のパフォーマンスに客席からは困惑まじりの歓声が上がる。
それでも、BREAKERZのスタジオ練習で演奏しているという「君じゃなきゃだめなんだ(A.B.C-Z)カバー」をバンドアレンジでカバーすると、粋なサプライズに観客は大興奮。続けて、ライブ当日の7月25日がBREAKERZのデビュー18周年の記念日だと明かせば、場内はすっかりお祝いムードとなり、1stシングル「SUMMER PARTY」と共に客席に舞い降りた3人を、ラストナンバー「光」の大合唱が包み込んだのだった。
お待ちかねA.B.C-Zのパートは、両日ともデビュー曲「Za ABC〜5stars〜」で幕を開けた。新体制でオリジナルver.を披露するのは今回初ともあり、新たな“星のポーズ”と共に特別なイベントの始まりを感じさせられた。そんな特別な楽曲を皮切りに、4人体制になって初めて発表したシングル曲「君じゃなきゃだめなんだ」や、GLAYのTAKUROが提供したファンキーな「Nothin’ but funky」、ジュニア時代からの人気曲「Vanilla」などをメドレーで届けた。
メンバーたちは多彩な曲調を華麗に歌い踊り、新星A.B.C-Zの“#IMA(今)”を見せつけた。と同時に、『A.B.C-Z CONNECTION Vol.1』ならではの試みも。奥田民生作曲の「夏と君のうた」では、2日目ゲストのBREAKERZに刺激を受けて、戸塚がエレキギターを生演奏。スタンドマイクをワイルドにつかんで歌う橋本と、彼に寄り添いながらギターを掻き鳴らし歌う戸塚の2ショットは、まるでバンドのライブを観ているような迫力があった。
また、観客によるウェーブや塚田の連続バク転で勢いをつけた「さぁ生きまくれ!wonderful life!」から、中毒性の高いシンセサウンドと独創的なダンスが映える最新曲「Just Romantic!」につないだ本編中盤には、A.B.C-Zがゲストの楽曲をカバーするブロックも控えていた。
1日目には純烈の人気曲「プロポーズ」にオリジナル振付をつけて、A.B.C-Z流の愛の告白を観客へ。2日目は、「本当はメンバーリクエストとして真っ先に『Miss Mystery』を挙げたんだけど、『Miss Mystery』はご本人に歌ってほしいなと思って今回はやめました(笑)」(五関)という理由でBREAKERZの「幾千の迷宮で 幾千の謎を解いて」を選曲した。
橋本が歌い上げるドラマティックな頭サビでグッと惹き込むと、アクロバットを交えたダイナミックかつ表情豊かなダンスで、楽曲の世界観を鮮やかに描き出す4人。どちらの楽曲も、一夜限りのカバーにするにはもったいない仕上がりで、本イベントに懸けるメンバーたちの熱い想いを実感した。それを体現するかのように、「Irresistible Love」から突入した後半戦も、新旧の楽曲を織り交ぜながらノンストップで駆け抜けていく。
初パフォーマンスとなった最新EP収録曲の「君色 Shiny Days」では、橋本と戸塚が1階席に、塚田と五関が2階・3階席に降り立ち、純烈さながらの距離感で観客と触れ合う演出も。橋本と戸塚は1階通路に設置されたお立ち台で歌うパートもあり、突如目の前に現れた戸塚の背中は、滝のような汗で神々しいほどにまぶしい。続く「世界一」も、タイトな移動時間にもかかわらず、自身の歌割に間に合うようにステージに全員集合した底抜けの体力が観客を驚かせた。
そして、BREAKERZファンにも刺さりそうなロックチューン「Temptation Border」からは、ラストに向かってヒートアップ。ライブ定番曲「FORTUNE」で踊り倒した先には、各グループのファンという垣根を越えて「頑張れ、友よ!」を共に歌う観客の姿があった。観客の「エビコネ!」コールに応えたアンコールでも、A.B.C-Zとゲストのコネクション(つながり)はより深くなっていった。
1日目は、「『プロポーズ』のオリジナルの振付は、純烈だったら何年かかっても踊れないよ〜」とボケながら絶賛する純烈と、「すみません、(『プロポーズ』の)歌詞を間違えました!」と謝罪する橋本に笑いが起きる中、純烈の「キミとボク」と、酒井が「一番やりたかったやつ!」と語ったA.B.C-Zの「Za ABC〜5stars〜」を7人で仲良く歌唱。ハジけるようなビッグスマイルで「純烈さん、サイコー!」と叫ぶ塚田につられて、客席にも笑顔が咲く。2日目のアンコールでは、A.B.C-Zからデビュー18周年を迎えたBREAKERZにケーキをプレゼントし、2組の心の距離を一気に縮めた。
さらに、DAIGOが作詞作曲した五関のソロ曲「story of us」を黒革のグローブを装着した五関&DAIGOのツインボーカルで熱く歌い上げ、出演者全員でBREAKERZの「灼熱」へ。ボーカル陣はタオルを豪快に回し、演奏中の楽器陣にも絡みながらラストスパートをかけると、1日目と同じくA.B.C-Zの「Za ABC〜5stars〜」で1つに。同曲の最後には、BREAKERZのサポートメンバーであるMatsu(Ba)と響(Dr/摩天楼オペラ)を含む、総勢9人による星ポーズがにぎやかに輝いた。
2日目の退場時、「エビコネ、大成功!」(五関)、「絶対来年もやりましょう!」(橋本)と早くも『A.B.C-Z CONNECTION Vol.2』への期待を叫んでいたメンバーたち。出演者と各グループのファンが生み出した新たなコネクションと熱狂は、A.B.C-Zが指差す未来を明るく照らしてくれることだろう。
なお、終演後に行われたYouTubeの生配信では、3ヶ月連続の楽曲リリースとアルバムの発売、ツアーの開催を発表。ツアーでは11月3日の熊本・熊本城ホール メインホール公演から、12月9日の愛知・Niterra日本特殊陶業市民会館 フォレストホール公演まで、計4会場でライブが行われることが決まっており、今冬も熱くなりそうだ。