身長154cm、体重39kg、ウエスト52cmの華奢なスタイルでSNSを賑わせているアイドルグループ・ストロボグリッターの青色担当、黒崎氷菜(ひょうな)のデジタル写真集『おめのごど、好きだなやの。』が絶賛配信中だ。撮り下ろしグラビアに加えて、ショートドラマ仕立ての庄内弁彼女動画も収録。山形県出身で「つや姫大使」にも就任している彼女らしさがふんだんに詰まった一冊となっている。
昨年11月にデビューしたばかりのストロボグリッター。8月1日・2日には、世界最大級のアイドルフェス「TOKYO IDOL FESTIVAL 2025(以下、TIF)」に初出場するなど、着々と注目を集め始めている。本インタビューでは、中でも特に強い個性で存在感を放つ黒崎に山形の田舎で育ち東京でアイドル活動を始めるまでの異色のキャリアを聞くとともに、デジタル写真集の魅力に迫った。
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■美しいお姉さんの庄内弁
――体重やウエストサイズのアピールに加え、山形出身、ラーメン好きなど、キャッチーなワードを駆使したSNSが日々バズっていますね。
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黒崎 せっかくアイドルとして活動してるので、多くの人に見つけてもらいたいなって。実際、バズった投稿を見てライブに来てくださるお客さんも多いです。「山形県出身なの?」「ウエスト52cmなんでしょ?」と特典会での話題にもなるので、個性を知ってもらうのは大事だなって思います。
・この顔で名前が黒崎氷菜
-- 黒崎 氷菜【ストグリ】 (@stgli_hyona) November 18, 2024
・山形のド田舎出身庄内弁←ギャップ
・この夏からグラビアはじめた
・バズって三ヶ月で1万人増えた←凄い
・ラーメンとお酒が好き
・国公立大卒
・AKB48さんのオタクしてた
・感情豊かで涙もろい
・夢のためなら努力を惜しまない
・明日デビューライブのアイドル! pic.twitter.com/XMPaoRkpSD
――今回の撮り下ろしも、その個性がとっかかりとなって実現したと言えます。大成功ですね。
黒崎 ウフフ、うれしい限りです。昨年の今頃は、まだフォロワー数も1000人台でした。少しずつ広まり、最近やっと2万人を超えたんですよね。もっと知名度を上げられるよう引き続き頑張りたいです。
――キャッチーなSNSの姿とは打って変わって、今回の撮り下ろしでは、アンニュイさや、大人な雰囲気がお似合いという印象を受けました。
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黒崎 私も今回は新しい自分を引き出していただけた気がしています。アイドルとしてステージに立つ時は、目がなくなるくらい笑ってしまうタイプなので、気の抜けた、ぼーっとした表情はファンの方が見ても新鮮だと思います。
――特にお気に入りのシーンは?
黒崎 迷うなぁ。ギンガムチェックの水着も好きだけど、やっぱり最後に夜の屋上で撮影したシーンかな。前髪を流したヘアセットをしていただいたんですけど、普段はツインテールやポニーテールと合わせることが多いので、巻き髪で下ろして、シックなドレスと合わせるスタイリングは特別な感じがしました。夜に撮影することもほとんど無いですし、何だか自分じゃないみたいです。
――この美しいお姉さんが動画では庄内弁を喋るという(笑)。良いフリになりました。デジタル写真集には全4本の「庄内弁彼女動画」が収録されています。即興でセリフを考えて話してもらいましたけど、とても上手でしたね。約1分間、相手がいるていで一人演技。ここだけの話、全部ノーカットです。
黒崎 ありがとうございます。以前TikTokで、庄内弁彼女とテレビ通話するイメージの動画シリーズを投稿していたことがあって。相手がどう返答するかを想像しながらセリフを繋げていたので、その応用という感じでした。そういえば子供の頃も、テレビドラマを見ては真似して一人演技をして遊んでいました。女優さんに憧れた時期もあったなぁ。今考えると黒歴史で恥ずかしいけど、活かせて良かったです(笑)。
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――間も絶妙で、しっかりオチに持っていくのも流石でした。この演技力は、是非デジタル写真集でチェックしていただきたいですね。今は標準語で話されていますが、普段、庄内弁を喋る機会はあるんですか?
黒崎 親と電話する時くらいですね。そもそも地元でも、皆んなが庄内弁を話せるわけではないんです。私は祖父母含め家族皆んなが庄内弁の家庭だったので馴染みがありますけど、山形市内出身で庄内弁とはまた違う訛りをしている子もいれば、標準語しか話せない子もいて。相手に合わせて標準語と庄内弁を切り替えるのが癖になっています。だから、東京で「庄内弁喋ってみて」と言われても結構難しいんですよね。
――なるほど。デジタル写真集のタイトル「おめのごど、好きだなや」は、庄内弁で「あなたが好き」という意味です。濁点が多いですよね。
黒崎 そうですね。学校からお家に帰ったら「何時にメシく?(食べる?) それまで上で勉強してくっさげの」みたいな。イタズラすると「ごげられっぞ〜(怒られるぞ)」とか。そんな感じです。聞き取れないですよね(笑)。
――今回の動画撮影中も、さくらんぼに対して「あっけろ」って。何を言っているのか分からなかったです。
黒崎 「赤いでしょ?」って意味ですね。
――ちなみにLINEなど文面でも濁点は付くんですか?
黒崎 つきますよ。相槌も「んだ」って書きます。家族の前だと逆に標準語を使うのが恥ずかしいんですよね。「〇〇だよね」とか言うと「あー、東京さ染まっちゃってー」なんて言われちゃうので(笑)。
■合唱部部長にバンド活動? 充実の学生時代
――子供の頃はどんな女の子だったんでしょう?
黒崎 3歳から日本舞踊を習っていました。祖父が地元で小さな芸能プロダクションを経営していて、地域の夏祭りや温泉街での余興に、歌が上手な人、三味線が弾ける人などを集める仕事を請け負っていたんです。私も"ちびっこ舞踊"として、色んな地域の祭りでステージに立たせてもらいました。今思うと、初めて人前に立って表現する楽しさを知ったのはこの頃です。
――現在のアイドル活動にも繋がりそうですね。
黒崎 演歌のステージ中、観客はおじいちゃんおばあちゃんばかりなのですが、私が踊り出すと同級生の友達が観に来て「ひょうなー! かわいいー!」とか言ってくれて。学校では、先輩後輩にまで名前が知られてしまっていました。恥ずかしながら目立ちたがり屋なところもあるので、嬉しかったですね。有名な演歌歌手の方とステージに立ったこともあります。例えば、大泉逸郎さん。一緒に映っている写真が実家に残っていて(笑)。
――えっ、あの「孫」の?
黒崎 そうです! 10歳の頃かな? 当時はまだ子供で演歌歌手さんのことをよく知らなかったけど「孫」はテレビで聴いたことがあったので「今私、スゴい人とステージに立ってる!」って実感があったというか。記憶も鮮明に残っていますね。
――スゴい経験ですね!
黒崎 小学校を卒業する頃まで、祖父に連れられてステージに立ち続けていました。毎回おじいちゃんが出演のお礼として気持ちばかりのお駄賃をくれたんですけど、お母さんが全部貯めてくれていて、気付いたら何百万円にもなっていました。本当に貴重な経験をさせてもらったと思います。
――間違いなく、誰もが出来る経験ではないですよね。中学、高校では何を?
黒崎 中学では合唱部に、高校ではチアリーディング部に入りました。合唱部に入ったのは、やっぱり歌うことが好きだから、ですね。東北の中学校は全体的に合唱部のレベルが高いんです。Nコン(NHK全国合唱コンクール)や全日本合唱コンクールなどの大会を目指して、私は部長も務めていたので、かなり本気で取り組んでいました。東北大会まで行って、NHKで全国放送されたことも。ただ3年間でやり切った実感があったので、高校からは、先輩のステージを見て「私も可愛い衣装を着たい!」と、チア部に入りました。
――歌って、踊って。何だか、アイドルになるための素質を磨いているかのようです。
黒崎 当時からAKB48さんが大好きだったので、アイドルへの意識はどこかにあったような気がします。まさか自分がアイドルになれるとは想像もしていなかったけど(笑)。ちなみに推しメンは、あっちゃん(前田敦子)とNMB48のふぅちゃん(矢倉楓子)でした。
高校時代は友達とバンド活動もしていました。学園祭に向けての約1年間。私はギター&ボーカルを担当しました。見様見真似でコードを覚えたので、今は全然弾けないんですけどね(笑)
SCANDALさんなどのコピーをやっていました。体育祭の時期は、チームの副団長に立候補してダンス発表取り仕切ったりもしていましたね。
――話を聞くほど多彩というか、学生時代が充実していますね。では高校卒業後は?
黒崎 関東での一人暮らしに憧れて、横浜の大学に進学しました。ずっと山形の田舎にいたので、都会に住んでみたかったんです。卒業後は一般企業に就職しました。おじいちゃんから「いい大学にいくんだぞ」とずっと言われてきたので、しっかり進学して就職することが一番の恩返しになると思っていたんです。
――そんな中、アイドルになったのは?
黒崎 高校時代に一緒にバンド活動をしていた友達から突然電話がかかってきたんです。「アイドルオーディションがあるらしいんだけど、受けてみない?」って。私が歌や踊りをかじっていたこと、アイドル好きなことを知っていたので、チャンスがあるかもと思ってくれたみたいです。試しにエントリーしたら、まさかの合格。嬉しい反面、アイドル活動を始めるには会社を辞めなきゃいけなかったので、すぐに決心はつかなかったです。でも、悩めば悩むほどアイドルへの思いは強くなるばかりでした。
――本当にいきなりアイドルへの道が開かれたんですね。
黒崎 実は私、オーディションを受けるまで"ライブアイドル"を知らなくて。テレビで見るアイドルが全てだと思っていたので、遠い存在でしかなかったんですよね。もっと早くライブアイドルを知っていたら、大学在学中から挑戦できていたかもしれない。そんなふうに思うこともあるけど、社会人経験のある私にしかない強みもあるはずだって、今は前向きに捉えています。こうして振り返ると、すべての経験が糧になっている気がするので。
■アイドルとしての夢は大きく
――実際、アイドル活動は楽しいですか?
黒崎 楽しいです。やっぱり歌って踊るのが大好きだなって。ステージに立つ瞬間は毎回幸せを感じます。ただ、落ち込む日も多いですね。自分の言動ひとつでファンの方に喜んでもらえることもあれば、逆に心を離してしまうこともある。難しいなって思うけど、支えてくださる皆さんのことは大事にしたいし、必要な落ち込みだと思って頑張っています。最終的には、たくさんの人に愛されるアイドルになりたいですから。
――ファン思いですね。愛されるアイドルになることで、実現させたい目標はありますか?
黒崎 「NHK紅白歌合戦」に出たいです。山形に住む家族にアイドルとして活躍している姿を見せるには、それしかないかなって。個人的にはMステも出てみたいけど、おじいちゃん見てくれるかなぁ。
――紅白は老若男女が見ますからね。
黒崎 私にとって、おじいちゃんの存在はスゴく大きくて。音楽業界を知っているからこそ、いちばん心配もしてくれているので、紅白に出て、輝いている姿を見せたいです。あとは山形を代表して「秘密のケンミンSHOW」にも出てみたいですね。
......と言いましたが、ライブアイドルから全国区のテレビ出演を目指すのはハードルが高いことも重々承知しています。実際、周りには一歩ずつ大きなライブハウスを埋めることを目標にしているコたちが多いです。「夢見すぎ」と思われるかもしれないけど、言わなきゃ絶対叶わない。恥ずかしさを乗り越えて、堂々と大きな夢を語れるのが本当の強さだと思うので!
――夢は大きく。それでいうと今年TIFに初出場されますよね。
黒崎 ファンの方の投票などをもとに全国選抜を決める「TIF2025全国選抜LIVEグランプリ」というオーディションに参加し、みんなの力で出演を勝ち取りました。「デビュー1年目でTIFに出る」というのがグループ発足時の目標だったので、スゴく嬉しいです。
ストロボグリッターは、日常を忘れるくらいワチャワチャはしゃげるライブ作りを心がけています。絶対に楽しませますので、是非、観に来てほしいです! そして、この先の夢も応援してもらえると嬉しいです。
●黒崎氷菜(くろさき・ひょうな)
4月20日生まれ 山形県出身
◯2024年11月19日デビューのアイドルグループ・ストロボグリッターの青色担当。「主食」と豪語するほどのラーメン好きでありながら、身長154cm、体重39kg、ウエスト52cmという華奢なスタイルでSNSを賑わせ中。山形県出身で庄内弁が喋れるほか、つや姫大使にも就任。2025年8月1日〜2日、ストロボグリッターとしてTIFに初出演を果たす。
公式X【@stgli_hyona】
公式Instagram【@hyona_ramen】
取材・文/とり 撮影/オノツトム