ウエイト0kgのARTA16号車が酷暑の鈴鹿で最速発進。ホンダ、ニッサンが上位へ進出/第5戦公式練習

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2025年08月23日 12:50  AUTOSPORT web

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ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16(大津弘樹/佐藤蓮) 2025スーパーGT第5戦鈴鹿
 8月23日、三重県の鈴鹿サーキットで2025年のスーパーGT第5戦『SUZUKA GT 300km RACE』の公式練習が行われ、ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT16号車(大津弘樹/佐藤蓮)が総合トップタイムを記録。GT300クラスでは、VENTENY Lamborghini GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)が最速タイムをマークして、第5戦のレースウイークがスタートした。

 2025年のスーパーGTは、海外戦(第3戦マレーシア/セパン)が復活。これに伴いここ数年1シーズンに2回行われてきた鈴鹿でのレースは、1度のみの開催となった。事前にタイヤメーカーテストは行われたものの、多くの車両にとっては東コースの舗装が改められた鈴鹿を走るのは初めてということもあり、どんな変化が見られるか、注目の一戦となる。

 3週間前に行われた前戦第4戦はスプリント形式・全車サクセスウエイト0kgという変則的なフォーマットとなったが、この第5戦鈴鹿からはウエイトによるハンデコントロールが復活。GT500クラスではランキング首位のau TOM’S GR Supraが、上限ウエイトとなる100kg(50kg+燃料リストリクター)を背負うこととなった。


■ジュリアーノ・アレジのクラッシュで赤旗中断に

 直前のFIA F4公式予選で赤旗中断があった影響を受けスケジュールは当初予定より10分遅れで進行、薄曇りの空の下、10時20分にセッションが開始された。気温は32度、路面温度は42度というコンディションだ。

 開始10分もしないところで、山本尚貴のドライブするSTANLEY CIVIC TYPE R-GTが、スプーンカーブからスロー走行でピットへ戻る。ガレージではボンネットが開けられる様子もあったが、ほどなくして無事コースへと戻った。場内放送によれば、エンジンが吹け上がらない症状が出たとのこと。

 セッション序盤は、今季ここまで0ポイント=サクセスウエイト0kgのARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT16号車が、大津弘樹のアタックにより1分47秒350というベストタイムを記録。25分経過を前に、MOTUL AUTECH Zの千代勝正が1分47秒187と全体ベストを塗り替えていった。

 開始30分、Deloitte TOM’S GR Supraのジュリアーノ・アレジがターン6(逆バンク)外側のバリアへとクラッシュ。赤旗が提示されセッションは中断となる。アレジは自らの足でマシンを離れた。この時点でDeloitte TOM’S GR Supraは12番手タイムを記録していた。マシンは修復を経て、FCYテストの時間帯にコースへと戻っている。

 10時59分、徐々に太陽が顔をのぞかせ路面を照りつけるなか、セッションは再開。この時点ではGT500クラスは前述のMOTUL AUTECH Z、GT300クラスではリアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rが暫定首位に立っていた。

 このあと、FCYテストに入る時間帯までは各車ともロングランに終始したか目立ったベストタイム更新は見られなかった。11時35分過ぎには、ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT16号車の佐藤蓮がS字でコースオフする場面も見られたが、クラッシュすることなくコースへとマシンを戻している。

 11時45分からの15分間にはFCYテストが行われたが、この最中にスプーンカーブでコースオフしたAstemo CIVIC TYPE R-GTの小出峻がスロー走行でマシンをガレージへ戻す場面も見られた。

 12時からの10分間は、GT300クラスの専有走行に。METALIVE S Lamborghini GT3の坂口夏月が5番手にポジションを上げたほか、apr LC500h GTの小山美姫も自己ベストを更新。VENTENY Lamborghini GT3の元嶋佑弥も7番手へ順位を上げるなど、アタックシミュレーションを行いタイムを更新していくマシンが徐々に増えていく。

 残り1分を切ってSUBARU BRZ R&D SPORTの井口卓人がセクターベストを更新しながら、1分58秒980という全体ベストタイムをマーク。これで最速タイムは決定かと思われたが、VENTENY Lamborghini GT3の元嶋が再度タイムを更新、1分58秒920で、このセッションのGT300クラスベストタイムを奪った。

 2番手はSUBARU BRZ R&D SPORT、そしてSyntium LMcorsa LC500 GTが河野駿佑のアタックで3番手に飛び込んだ。4番手、5番手にはセッション序盤のタイムでリアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R、PONOS FERRARI 296が入り、6番手には専有走行のラストアタックで平良響がタイムを縮めたHYPER WATER INGING GR86 GTが入った。

 12時10分からの10分間は、GT500の専有走行に。まずはARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT16号車の佐藤が1分47秒081で暫定首位に。続いて僚友8号車の野尻智紀が自己ベストタイムを更新し、それまでの最下位15番手から9番手へとジャンプアップを果たす。

 さらにTRS IMPUL with SDG Zの平峰一貴が5番手に飛び込むなか、ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT16号車の佐藤は2周連続でアタックを行うと、チェッカー提示とほぼ同時に1分46秒757と唯一の1分46秒台へと突入。これが、このセッションの全体ベストタイムとなった。

 セッション2番手は、序盤のタイムでMOTUL AUTECH Z。3番手は、佐藤と同じく終盤の2周連続アタックで平峰が自己ベストをさらに縮めたTRS IMPUL with SDG Z。4番手以降はWedsSport ADVAN GR Supra、ENEOS X PRIME GR Supra、Niterra MOTUL Zというトップ6のオーダーとなった。

 鈴鹿サーキットではこのあと、ピットウォークとFIA F4第6戦決勝を挟んで15時15分から公式予選が行われ、24日の決勝スターティンググリッドが決する予定だ。

[オートスポーツweb 2025年08月23日]

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