海上自衛隊の護衛艦「かが」を視察し、儀仗(ぎじょう)隊を巡閲する石破茂首相(左から2人目)=23日午前、神奈川県横須賀市の海上自衛隊横須賀基地(代表撮影) 石破茂首相は23日、海上自衛隊横須賀基地(神奈川県横須賀市)を訪れ、事実上の空母化を進める護衛艦「かが」の艦内を視察した。格納庫で訓示した首相は、日本を取り巻く安全保障環境の厳しさを指摘した上で、「わが国の独立と平和を守り抜くため、抑止力強化の取り組みを一層果敢に進めていかねばならない」と訴えた。
首相は中国空母が6月に日本近海を同時に航行したことに触れながら、「中国はわが国周辺で軍事活動を拡大・活発化させている」と指摘。北朝鮮やロシアの動向にも危機感を示し、「わが国として主体的に抑止力・対処力を強化する取り組みを不断に進めていくことが必要だ」と強調した。
かがの空母化も抑止力強化の一環だとした上で、「海と空の防衛体制の強化に寄与する。任務遂行に必要なことを一人一人が考え、実行することを要望する」と呼び掛けた。
首相の護衛艦視察は5月の海自舞鶴基地(京都府舞鶴市)以来。防衛省が例年開催してきた観閲式を原則取りやめたため、視察を通じて隊員の士気を維持する狙いがある。首相は米軍横須賀基地に寄港中の英空母「プリンス・オブ・ウェールズ」にも乗艦し、日英連携をアピールした。
視察後、首相は記者団に対し、英空母の日本寄港について「この地域の平和と安定への英国のコミットメント(関与)を示すものだ」と語った。

海上自衛隊の護衛艦「かが」を視察後、記者団の取材に応じる石破茂首相(手前)。奥は中谷元防衛相=23日午後、神奈川県横須賀市の海上自衛隊横須賀基地(代表撮影)

海上自衛隊の護衛艦「かが」を視察し、飛行甲板でSeaRAM(対艦ミサイル防御装置、左上)について竹内周作艦長(中央)から説明を受ける石破茂首相(右から2人目)、中谷元防衛相(右端)=23日午前、神奈川県横須賀市の海上自衛隊横須賀基地(代表撮影)

海上自衛隊の護衛艦「かが」を視察し、格納庫で哨戒ヘリコプター「SH―60K」について説明を聞く(右から)中谷元防衛相、石破茂首相=23日午前、神奈川県横須賀市の海上自衛隊横須賀基地(代表撮影)