NHK戦争ドラマは「歴史歪曲」=モデルの遺族、BPO申し立てへ

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2025年08月26日 20:31  時事通信社

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時事通信社

NHK放送センター=東京都渋谷区
 戦後80年に関連しNHKが制作したドラマを巡り、登場人物のモデルになった軍人の遺族が26日、東京都内で記者会見を開き、事実に反する卑劣な人物に描かれたとして、放送倫理・番組向上機構(BPO)に申し立てる意向を明らかにした。

 会見したのは戦前の首相直轄機関「総力戦研究所」の所長を務めた飯村穣陸軍中将の孫で、元駐仏大使の飯村豊氏。16、17日に放送されたドラマ「シミュレーション〜昭和16年夏の敗戦〜」で研究所長は、日米が開戦した場合の見通しを机上演習した若手エリートが出した「日本必敗」の結論を、覆す人物として描かれた。だが、実際は自由闊達(かったつ)な議論を奨励したとされる。

 ドラマには創作である旨のテロップが付いたが、飯村氏は「祖父の人格を毀損(きそん)するように描かれた。歴史を歪曲(わいきょく)し、捏造(ねつぞう)して伝えるのは遺憾」と訴えた。

 NHKは「番組はドラマとドキュメンタリーで構成され、ドラマは実在した総力戦研究所に着想を得て、所長はフィクションとして描き、ドキュメンタリーで史実や関係者の実像について伝えた」とコメントしている。 
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