2025年スーパーフォーミュラ・ライツ王者獲得の野村勇斗「本当に良い流れでシーズンを戦うことができた」

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2025年09月07日 21:00  AUTOSPORT web

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2025 スーパーフォーミュラ・ライツ第5大会富士 チャンピオン記者会見に臨んだ野村勇斗
 9月7日、静岡県の富士スピードウェイで行われた全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第5大会の第15戦で、ポールポジションからスタートした野村勇斗(HFDP WITH B-MAX RACING)がポール・トゥ・ウインで今季9勝目を飾り、ランキング2位だった佐野雄城(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)が4位になったことで、2025年のチャンピオンを1大会を残して決めることになった。レース後、野村は記者会見の中で喜びを語っている。

 野村は2005年愛知県生まれ。2021年にEXGEL OK CHAMP SERIESのチャンピオンを獲得すると、2022年はフランスF4で修行。2023年からは日本に戻るとFIA-F4に参戦し、2024年にはチャンピオンも獲得した。

 今季はスーパーフォーミュラ・ライツにステップアップして一年目の野村だったが、鈴鹿サーキットでの第1戦から2位表彰台に入ると、3戦連続の2位に。第2大会オートポリスこそ無得点で苦しんだが、圧巻だったのは6月の第3大会岡山から。3連勝を飾ると、1大会4レース制で行われた第4大会SUGOまでなんと7連勝を飾った。

 勢いそのままに連戦で行われた富士スピードウェイでの第5大会では、第13戦で連勝を8に伸ばす。第14戦こそ3位となったが、第15戦でふたたび優勝。今季9勝目を飾ってみせた。一方で、開幕から4連勝を飾りランキング2位だった佐野がこの富士大会で速さはありつつも結果に繋がらず。第15戦を終え、最終大会のもてぎを前にして野村が2025年のチャンピオンを参戦一年目で決めた。

 レース後、急遽設定されたチャンピオン記者会見で野村は「本当に嬉しいですね。あとちょっとビックリしています」とこの大会でチャンピオンが決まるとは思っていなかったと語った。

「チャンピオンが決まったのはチェッカーを受けてから無線が入って知りました。聞いた後は正直に言うと『やった!』といつもと同じような感覚でしたが、クルマを降りた後に実感が湧いてきました」

「この第5大会の初日は『今回も接戦だろうな』というくらいしか考えていませんでしたし、今回も優勝だけを目指してやってきたので、『まさか』という気持ちもあります」

 アドバイザーの武藤英紀、大津弘樹の助けもあり、第3大会の岡山からはまさに圧勝とも呼べるシーズンとなったが、「昨年の12月のテストからスーパーフォーミュラ・ライツに乗り、最初は『すごく速いな!』と正直乗れるのか不安がありましたが、シーズン開幕戦からチームの皆さんが本当に支えてくださって、開幕戦から表彰台に立つことができました」と序盤は苦戦していたという。

「第2大会のオートポリスまでは正直苦戦していたとこともあったのですが、そこから第3大会の岡山は絶対に勝つという意気込みで臨み3連勝でき、専有走行のセッションの進め方や予選に向けたセットアップの方向性など、良い部分が見えてきました。この第5大会の富士もそれが活きて、第14戦で連勝こそ途絶えたものの、本当に良い流れでシーズンを戦うことができたと思います」

「やはり転機となったのは、岡山大会で初優勝できたことだと思います。それまでずっとスタートが課題だったのですが、一度成功させることができたら良いルーティンにできました」

 この結果、最終大会のもてぎではタイトルの重圧もなくレースに臨むことができる。そしてその先に見据えるのは来季のさらなる成長だ。「最終大会のもてぎでは少しプレッシャーというか、肩の荷も下りましたし、もてぎでも優勝して、来年はステップアップしたいと思っています」と今季はスーパーGTでも優勝を飾り、最大のターゲットであるスーパーフォーミュラ・ライツ王者となった野村は笑顔をみせた。

[オートスポーツweb 2025年09月07日]

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