コロッケ「ものまねだけで明治座公演ができれば親も喜んで…」 明治座「大逆転!戦国武将誉賑」

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2025年09月14日 05:01  日刊スポーツ

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日刊スポーツ

18日、舞台「大逆転!戦国武将誉賑(せんごくかーにばる)」制作発表会見に登壇した、左から久本雅美、檀れい、松平健、コロッケ

ものまね芸人コロッケが、デビュー45周年を迎えている。20日に初日を迎える東京・日本橋浜町の明治座公演「大逆転!戦国武将誉賑(せんごくかーにばる)」では、松平健(71)、久本雅美(67)、檀れい(54)と“4人座長”を務め、豊臣秀吉を演じる。ものまねレパートリー1000人以上、今年2月に変形性膝関節症のため両膝に人工関節を入れる手術を受けた“ものまね界のレジェンド”に聞いた。【小谷野俊哉】


◇◇  ◇◇


デビュー以来、常に笑いを追求して、ものまねの革新を続けてきた。演芸場の形態模写の世界を、音楽と踊りでエンターテインメントとして磨き上げてきた。


「今思うのは『僕のここに、早く誰か来てくれよ』っていうのがある。今いないんですよね。ただ、自分をよく見せたい、面白く見せたい、うまく見せたいというのは、ものまねの神髄ではないと、僕は思うんです。やっぱり、見る人に楽しんでいただきたい。そういうところを、もっともっと考えて動ける子たちが増えてくれればいいなと思っています」


後に続く者に思いを受け継いでいきたい。だが、そこには今の時代ならではの難しさがある。


「今は、僕が押し付けてというのもダメじゃないですか。昔だったら、ちょっと一緒に飯を食おうかって言って、いろんなことを覚えようよって言えましたけどね。今は、聞いて来る子には教えられますけどね。それはキンタロー。だったり、坂本冬休みだったりとかするんですけどね。聞いてこないものを、僕が呼んで言うのも勝手なお世話になるし、今の時代ではある意味パワハラにもなりかねない。だから、何か聞かれた時には僕は最大限、自分のやってきたこと、これを覚えたら得だよということは教えますけどね。今、可能性があるのは、さっきあげた2人かな。だけど、男がいないんですよね。そこは、ちょっとなんかね」


聞いてくる者には、惜しみなく助言を与える。


「ものまねのテクニックというより、こういうことやった方がいいよと。坂本冬休みは、坂本冬美さんのものまねをするなら日本舞踊を覚えなさいと。石川さゆりさんのものまねをするなら、日本舞踊が踊れないとものまねにならないよと。あの方たちは、そうした素養があって初めて、それを歌う中で取り入れてる人だから。僕からするとまだまだですけど、そこの空気感を出すことによって似てくる。分かりやすく言えば、石川さゆりさんのものまねは日本舞踊を習って、そのしぐさを作った上に歌舞伎の間を入れるから、それが笑いになる。最初に所作ができるからこそ、ものまねができるんだということを教えていかなきゃいけない。まあ、これからの課題ですよね」


ものまねの世界に新たなレールを敷くことも考えている。


「自分も、これから年を取っていくわけですから、そんなに押し付けるわけにいかないけれどもね。見せていくことによってね、ついて来てくれる人がいると思う。あと自分のマニフェスト(政権公約)というか、そういうのも含めてやっていきたい。今回は舞台が明治座という格式が高いところですが、ものまねの子たちだけで公演ができればね。田舎のお父さん、お母さんが、息子や娘が東京に行って何をやってるんだろうと。たまにテレビに出たりはするんだけどと思っているところに、明治座に出るとなれば喜んでくれる。それをちゃんとつなげるためにも、今回の舞台も僕がちゃんとルールを守って、面白くしていかなくちゃいけないと思っています」


(終わり)


◆コロッケ 1960年(昭35)3月13日、熊本市生まれ。高校を卒業して上京。80年に日本テレビ系「お笑いスター誕生!!」でデビューして、6週連続勝ち抜き。85年フジテレビ系「ものまね王座決定戦」で大ブレーク。93年日本テレビ系「ものまねバトル」。13年「松尾芸能賞」演劇優秀賞。14年「文化庁長官表彰」。16年「第16回日本芸能大賞」。18年映画「ゆずりは」で、本名の滝川広志で映画初主演。19年「第28回日本映画批評家大賞」特別新人賞。171センチ。血液型B。

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