7月の参院選を巡り、自民党公認候補への投票の見返りに従業員に報酬の支払いを約束したとして逮捕されたパチンコ店運営会社「デルパラ」(東京都港区)社長の山本昌範容疑者(50)=東京都港区=が、3年前の参院選でも特定候補への支持を社内に呼びかけ、投票した従業員に現金を支払っていたことが捜査関係者への取材で判明した。
捜査関係者によると、山本社長は2022年の前回の参院選でもパチンコ業界が支持を呼びかけた別の特定の候補に対する投票を指示。投票したことを報告した従業員ら150人以上に実際に現金を支払ったとみられる。
1人当たりの金額は、今年7月の参院選を巡って約束した報酬と同じ3000円または4000円だったという。これらは公職選挙法の買収罪の公訴時効(3年)が経過している。
また、警視庁などの合同捜査本部は16日、グループ傘下のパチンコ店「モリナガ」(鹿児島市)の従業員ら107人に投票に対する報酬を約束したとして、公選法違反(買収約束)の疑いで山本社長ら3人を再逮捕した。これで買収を約束したとされる従業員らは計203人になった。
他に再逮捕されたのは、デルパラ営業本部長の湯浅一行(46)=千葉県市川市=と管理本部長の小西悌之(ともゆき)(44)=鳥取県米子市=の両容疑者。デルパラは1月にモリナガを完全子会社化していた。
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再逮捕容疑は、鹿児島県内で展開するモリナガの全8店舗の店長と共謀し、7月上旬〜中旬、従業員ら107人に、業界の組織内候補の阿部恭久氏(66)への投票に対する報酬として、3000円または4000円を残業代名目で支払うよう約束したとしている。3人の認否を明らかにしていない。参院選で阿部氏は落選した。
捜査本部は8月26日、阿部氏への投票の見返りに、東京や埼玉など17店舗の従業員ら60人に報酬を約束したとして山本社長とデルパラ幹部社員5人を公選法違反(買収約束)の疑いで逮捕し、9月5日には別の従業員ら36人に対する同容疑で6人を追送検していた。東京地検は16日、山本、湯浅、小西の3容疑者を公選法違反で起訴した。【山本康介、長屋美乃里】
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