ライブBPに登板したロッテ・横山陸人[撮影=岩下雄太] 「数字としてはまだまだなので、シーズン終盤ですけど、もっともっと積み上げていければいいかなと思います」。
ロッテの横山陸人は今季すでに、20ホールド、8セーブはいずれも自己最多の成績をマークし、登板数も自己最多タイの43登板と、登板数、ホールド、セーブ、さらには奪三振などあらゆる部門でキャリアハイを記録しそうだ。
ここ最近の登板では、8月20日の楽天戦、5−3の9回一死走者なしで村林一輝を2ストライクから空振り三振に仕留めた140キロシンカー、8月30日のソフトバンク戦、6−4の9回一死走者なしで野村勇を1ボール2ストライクから空振り三振に仕留めた141キロのシンカーがストライクゾーンからボールゾーンに良い落ちだった。
「だいぶ感覚良いものがつかめてきたのかなと思いますし、まだまだ細かい精度というのは足りないところがあるので、試合で実際に投げないと感覚は養えないと思うので、もっともっと使っていければいいかなと思います」。
一軍に定着した23年以降、右打者の被打率は23年が.324(74−24)、24年が.229(70−16)と2割を超えていたが、今季は右打者の被打率が.170(94−16)、29奪三振と抑え込んでいる。右打者を打ち取っている要因、三振が多い要因というのは右打者に対しても、シンカーを投げきれているというのが関係しているのだろうかーー。
「シンカーは投げ始めてからここ1ヶ月くらいなので、確かにそこから三振の数は増えているので、バッターが頭にない球種なのかなと思って、今のところはすごい有効な球だなと思っています」。
また、8月31日のソフトバンク戦、4−3の9回二死走者なしで山川穂高を1ボール2ストライクから空振り三振に仕留めた4球目の128キロスライダーが良かった。スライダーに関して、「去年からずっと割と良い感覚で投げられていますし、決め球にもなりますし、カウント球にもなりつつある球なので、もっともっと精度を上げて磨いていければいいかなと思います」と話した。
今季は先発挑戦した時期がありながら、リリーフに戻ってからは勝ち試合だけでなく、イニング跨ぎなど様々な場面で腕を振っている。8月26日の週は1週間に4試合にも登板し、9月もここまで6試合に登板。登板数が増え、疲労が心配されるが、横山本人は「今のところはどこか痛いとかありませんし、だいぶ健康な状態で試合に投げられているので、良いのかなと思います」と、体調面に不安はない。
チーム状況が苦しい中で、17日のオリックス戦のような1点リードの9回をきっちりと守り抜き、試合を締めくくることが期待される。残り13試合でセーブ数、登板数のシーズン自己最多を更新してほしい。
取材・文=岩下雄太