松竹脚本・演出家、水口一夫さん死去 片岡愛之助“恩師”しのび「父のような存在」

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2025年09月18日 13:31  日刊スポーツ

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日刊スポーツ

片岡愛之助(2025年9月撮影)

松竹は18日、脚本家で演出家の水口一夫(みずぐち・かずお)さんが7日午後6時43分、大腸がんのため、京都市内の病院で死去したと発表した。83歳。葬儀・告別式は家族葬で終えたという。


水口さんは京都市出身。国立劇場、日本俳優協会職員などを経て、97年に松竹入社。上方歌舞伎への造けいは深く、松竹上方歌舞伎塾の運営に従事。若手俳優の育成に尽力した。


歌舞伎の新作、古典の脚色、演出などを手がけつつ、兵庫・豊岡の芝居小屋、出石永楽館での「永楽館歌舞伎」や、徳島・鳴門の大塚国際美術館に「システィーナ歌舞伎」にも貢献した。


「永楽館−」で座頭を務める片岡愛之助(53)はこの日、自身のブログを更新。水口さんをいたんだ。


愛之助は「愛之助に成り立ての時にトークショーのお話を頂いて、良く一緒にトークショーをさせて頂きました。そこで芝居の大先輩のお話を聞かせて貰ったり、祖父13世の事や、芝居、上方歌舞伎、上方舞、等々、色々教わりました」と、駆け出し時代からの思い出を回顧。


今年で15回を数える永楽館歌舞伎については「永楽館の新作などは全て水口先生が手掛けてくれました。その永楽館の初日も今月末なので見て欲しかったし、見たかったと思います」と吐露。


水口さんが手がけた「神の鳥」が永楽館で誕生し「歌舞伎座でも上演され、そして、コウノトリの如く永楽館に帰ってきたのですから。本当に残念です。昔はその後システィーナ歌舞伎でした。それも全て水口先生でした。和と洋のコラボレーション歌舞伎、歌舞伎だけでなく、様々な演劇に造詣の深い水口先生でしか作れない作品でした」。


さらに、愛之助の代表作のひとつにも数えられる「GOEMON」「鯉つかみ」も水口さんが担当しており「公私ともに、いろんな相談に乗ってくださり、私にとっては父のような存在でした。水口先生、本当にありがとうございました。感謝してもしきれないです。そしてお疲れ様でした向こうでも、みんなといろんなお芝居作って、そして、踊りも踊ってくださいね。心よりご冥福をお祈り申し上げます」と記し、結んだ。

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