中越地震から20年 - 新潟県の防災イベントで日本初の次世代トイレカーなど公開

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2025年09月18日 18:01  マイナビニュース

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新潟県は9月6日・7日、「ぼうさいこくたい2025 in 新潟」の開催にあわせ、併催イベントとして「にいがた防災産業展」と「いつものもしもCARAVAN」を開催した。



防災推進国民大会(通称:ぼうさいこくたい)は、内閣府等が主催し、産学官民の関係者が日頃から行っている防災活動を発表し、交流する日本最大級の防災イベント。2016年に始まり、今年で10回目の開催を迎えた。にいがた防災産業展は、併催イベントとしては全国で初めて自治体が主催するBtoB展示会であり、県内外の防災関連企業・団体が集結し、防災産業の最先端技術や知見を紹介した。


新潟県は中越地震や、能登半島地震など度重なる災害経験により、防災・減災に関するノウハウや知見などの資源が蓄積してきた。それらを結集し、防災産業クラスター形成に向け、プラットフォーム「にいがた防災ステーション」を中心に取り組みを進めている。「新潟を防災産業の拠点に!」を目標に掲げ、長岡技術科学大学が開発を主導し、ユニトライクが商品化したバイオ技術で生活用水を循環して再利用できる「ウォーターチェンジャー」など、これまでの成果を広く紹介した。


○日本初となる手洗い水再生機能付きトイレカー



ユニトライクとニットクは、日本初となるウォーターチェンジャー搭載の手洗い水再生機能付きトイレカーを初お披露目した。従来はタンクの水がなくなれば使用終了だったが、独自技術で継続利用が可能となり、災害時の手洗い不足課題を解消。工事現場など平時利用もできるようになっている。将来的には汚水処理や飲料水供給まで一台で完結できる「未来型水回りシステム」として、新潟から全国へと広めていきたい考えだ。


○雪による事故を防ぐ「屋根雪下ろし機」「歩行型除雪機」



フジイコーポレーションの「屋根雪下ろし機」「歩行型除雪機」も紹介された。新潟県では毎年、屋根からの転落による死亡事故が発生し、負傷も含め100件を超える雪による事故が報告されている。こうした課題を解決するため、同社は、屋根に上らず地上から操作できる日本初の屋根雪下ろし機を開発した。カメラで屋根の状況を確認しながら安全に作業でき、特別な免許も不要。事故防止と人手不足解消への貢献を目指す。


○初期消火をリアルに体験できる「消火訓練XR」

メビウスは、XRで初期消火をリアルに体験できる「消火訓練XR」を出展した。ゴーグルを装着し、実際の職場や教室を背景に火災を想定、消火器操作を体験できる防災ソリューション。従来訓練のような水補充や人数制限がなく、時間や場所を問わず実施可能だという。


○SNSでも話題の耐熱ポリ袋「アイラップ」



岩谷マテリアルは、耐熱ポリ袋「アイラップ」を販売。近年SNSでも話題となっている「ポリ袋炊飯」の実演を行った。ポリ袋炊飯は、ポリ袋のまま調理するのでそのまま捨てることができ、おかずも同時に調理できるので食器いらず。水が貴重な災害時(断水時や停電時)に役立つ。同社のアイラップは、昨年の能登半島地震の時も現地の炊き出しで活躍した。


○キャンプ・アウトドアから考える防災



新潟県アウトドア協会は、キャンプ・アウトドアの切り口で、防災コンテンツを展開。アウトドア防災体験コンテンツ、防災用品の展示、防災に使えるキャンプ用品などを紹介した。


○無印良品との共催イベント「いつものもしもCARAVAN」



新潟県と無印良品が共催で開催した「いつものもしもCARAVAN」は、万代島多目的広場 大かま(新潟市中央区)で開催された。災害を"特別なこと"ではなく、"日常生活の中にあるもの"として捉え、くらしの備えを伝える防災イベント。無印良品が提案する防災の考え方「いつものもしも」を中心に、大人から子どもまでが楽しみながら学べる内容となっている。


「MUJIつながる食堂」では、イタリアのコミュニティダイニング文化から災害時における「食」と「コミュニティ」について、食事を囲みながら一緒に考える機会が提供された。「全国つながる市」では、全国各地の団体が防災に使える保存食や特産品を販売。「アウトドアパーク」では、新潟県内のアウトドア関連企業・団体が出展。体を動かしながらアウトドアの視点で防災について学ぶアクティビティが展開された。(Yumi's life)

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