
艶やかな笑顔でキッチンに咲く花! SNSで話題の美人店主を週プレNEWSが直撃。するとビジュアル以上にアツい料理への思いとおもてなしの心で胃袋もハートも満たしてくれました。
神奈川県愛川町のロードサイドにある「もつ乃」はSNSなどでも取り上げられることの多い、もつ煮の専門店だ。その店を切り盛りするのが美人女将として評判の丹野可菜子さん。もつ煮の専門店を開いた理由から、店のこだわり、休日の過ごし方などを聞いた。
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――お店を初めてどのくらいになりますか。
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丹野 3年目になります。もともとはリフォームの営業の仕事をやっていたんですけど、料理を作るのが好きだったので、いつか店をやりたいと思っていました。
――「もつ乃」はメニューをもつ煮一本に絞っているのが特徴です。なぜ、もつ煮の店にしようと思ったんですか?
丹野 もつ煮に絞ったのは一人で作れて、すぐに提供ができて回転率がいいと考えたからです。もつ煮はすごく仕込みが大変なので、家で作りにくい料理な分、テイクアウトで買ってくれる人も増えるかなと考えたからです。
――お店は最寄り駅から離れた、ロードサイドにあります。この場所でお店を始めた理由は?
丹野 もつ煮をやると決めた時にトラックドライバーさんがたくさん来てほしいと思って、たまたま開いていたロードサイドのこの場所に決めました。もうちょっと駅から近いところだったらなと、今は少し後悔しています(笑)。
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――お店を初めてからすぐに人気になったんですか?
丹野 いいえ、最初の1か月くらいは全然で、一日に1人、2人ぐらいしかお客さんがいないときもありました。そこから口コミでちょっとずつお客さんが増えていって、その噂を聞いたYouTuberの方が動画で店を紹介してくれて、たくさんお客さんに来ていただけるようになりました。今は開店前にはだいたい10〜20人、多い時だと30人くらい並んでいただいてます。ありがたいですね。とにかくお客さんを待たせないように早く提供できるように心がけています。
――遠方からもお客さんが来るそうですね。
丹野 北海道から来る方や、沖縄からきてくださったお客さんはお手紙もくださったりします。全国から行ってみたいと思ってくださっているのは嬉しいですね。初めてのお客さんももちろんいますが、週に2回来てくれるようなリピーターのお客さんも多いです。お客さんの中には「これを毎週食べるのが週の締めだ」と言ってくださる方もいます。
――名物のもつ煮のこだわりを教えてください。
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丹野 店を開くにあたって、今まで自分が食べたことのない味を作ろうと思って、お店を始める前は有名店を食べ歩いたり、通販で取り寄せたり、いろいろなところのもつ煮を食べて勉強しました。試作も2か月間毎日作り続けて、今の「もつ乃」の味に辿り着きました。なので何処かのお店の真似ではなく、自分が食べて本当に美味しいと思うもつ煮を作っています。
――「もつ乃」はもつ煮にご飯、汁物がついた「もつ煮定食」が看板メニューです。今は米の値段が上がり、大変ではないですか。
丹野 実はお米の高騰で一度だけお米の質を下げさせてもらったことがあったんです。そうすると炊きたてのご飯のにおいや色が違うんですよ。ご飯をお茶碗によそっている時に「これはお客様に提供するべきものじゃない」とすごく罪悪感を感じてしまって。自信をもって提供したいですし、お客さんみなさんに喜んでもらいたいので利益は小さくなっても元のお米に戻しました。
――YouTubeなどで美人店主として取り上げられていますが、どう感じていますか。
丹野 私はもつ煮をつくって、それを提供しているだけなので。だからお客さんには美味しいと思ってもらって帰ってもらえればうれしいです。写真を撮ってもらえる分には構わないですけど、わざわざ外で撮ってとかは申しわけないですけど、お断りしています。
――お店がお休みの時などはどう過ごされているんですか。
丹野 夏はサーフィンに行ったりしています。今年の4月に子供が生まれたので、今はお休みの日も子供の送り迎えなどをしています。
――今後、お店を増やしていこうとは考えているんでしょうか。
丹野 今のところはないですね。誰かに任せるというのができない人間なので。もつ煮屋さんは大変なんですよ。もつ煮の寸胴だけで30キロくらいあって、それをひっくり返さないといけないですし。腕も太くなります。でも来てもらえるお客さんがいると「きょうもやってよかったな」と毎日思うから。その思いがある限り、続けられる限りは続けていこうかなって思っています。
「もつ乃」
住所/神奈川県愛甲郡愛川町棚澤877-5
営業時間/11:00〜なくなり次第終了
定休日/月・木曜
文・撮影/徳重龍徳