ヒョンデ傘下のジェネシス、2026年ハイパーカークラスに参戦する3&4人目のドライバーを発表

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2025年09月18日 19:20  AUTOSPORT web

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2025年はIDECスポールからELMSのLMP2クラスに参戦している(左から)ダニエル・ジュンカデラ、マティス・ジョベール、ジェイミー・チャドウィック
 ジェネシス・マグマ・レーシングは9月18日、ダニエル・ジュンカデラとマティス・ジョベールが2026年のWEC世界耐久選手権におけるドライバーに加わることを発表した。

 来季からハイパーカークラスに新規参戦する韓国のヒョンデ傘下のこの高級ブランドは、すでに新型LMDh車両『GMR-001』の開発ドライバーにもなっているアンドレ・ロッテラーおよびピポ・デラーニに続く、3人目と4人目のレースドライバーを明らかにした形だ。

 現在、コルベット・レーシングのファクトリードライバーを務めているジュンカデラ、そしてジョベールは、ジェネシスの『トラジェクトリー(軌道)・プログラム』という位置付けのIDECスポールから、ELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズのLMP2クラスに参戦している。ふたりはジェイミー・チャドウィックとのトリオで、シルバーストンで開催されたシリーズ第5戦で勝利を挙げたばかりだ。


■残るふたつのシートの有力候補は

 チーム代表のシリル・アビテブールは、ジュンカデラとジョベールを昇格させたのは、ELMS・LMP2クラスへの迅速な適応が評価されたためだと述べている。

「トラジェクトリー・プログラムの目標は常に、ドライバーをサポートし、WECのラインアップにステップアップできることを証明する機会を提供することだった」とアビテブールは語った。

「2026年にマティスとダニを参戦させることができる立場にすでにあることは、彼らの大きな功績だ」

「ジェイミー・チャドウィックとともに、マティスとダニはプロトタイプレーシングに見事に適応した。ELMSシーズン開幕戦以来のパフォーマンスがそれを物語っている。さらに重要なのは、彼らがシーズンを通して成長し、毎週末から学び続けてきたことだ。ハイパーカーへの参戦後も、この成長が続くことを期待している」

「トラジェクトリー・プログラムのドライバーをプロトタイプレース以外のカテゴリーに起用するというリスクを我々は負った。彼らを2026年のWECラインアップに迎え入れることもまたリスクだが、これまでの経験から、リスクは報われることもある」

「マティスとダニは、ともにハイパーカーに初めて参戦するドライバーだが、LMP2で見せたように、実力を発揮し、サプライズを生み出すチャンスがある」

 元F1ドライバーのローガン・サージェントがチームを離脱したため、ジェネシスが支援するIDECのラインアップに加わったジュンカデラは、以前Sportscar365に対し、この機会がWECのシート獲得につながることを期待していることは「秘密でも何でもない」と語っていた。

「ここ数年、ハイパーカークラスへのステップアップが僕の目標だった」とジュンカデラ。

「ここ2年間、WECのLMGT3クラスでレースをしてきましたので、よく知っているチャンピオンシップにステップアップするのは僕にとってまさにうってつけだ」

「ジェネシス・マグマ・レーシングでゼロからスタートし、長年チャンピオンシップに参戦できるブランドでスタートを切れるのは、まさに理想的だ」

 一方、ジョベールはLMP2クラス初シーズンで驚異的な実力を発揮した。彼は、ヨーロッパとアジアでのポルシェ・ワンメイクレースでの成功を背景に、ジェネシスに抜擢された20歳のフランス人ドライバーである。

「ジェネシス・マグマ・レーシングのWECラインアップに加わることができ、本当に興奮している」とジョベール。

「僕にとって、これはキャリアにおける大きな一歩であり、世界のトップドライバーたちと実力を比較するチャンスだ」

「トラジェクトリー・プログラムとELMSでの経験は、技術面の習得やロングスティントにおけるマネジメントだけでなく、このレベルで必要なチームワークと一貫性を理解する上でも非常に貴重なものだった。WECではこれがさらに重要なので、テストですぐにチームと仕事を始められるのは素晴らしいことだ」

 ジェネシスの声明では、ジュンカデラとジョベールはGMR-001の「今後のテスト」に参加するとされているが、今週ポルティマオで行われたテストで、すでにふたりとも初走行している模様だ。

 今回の発表により、ジェネシスにとって初のWECシーズンとなる2026年シーズン、残るシートはふたつとなった。

 そのうちのひとつは、来週の富士6時間レース後にプジョーのドライバーを退任し、バーレーンでのシーズン最終戦のシートを2026年シーズンの契約ドライバーであるテオ・プルシェールに譲るストフェル・バンドーンにほぼ確実に与えられるものとみられる。

 また、IDECと密接な関係を持つポール・ループ・シャタンは、今月アルピーヌに退団の意向を伝えたことが明らかになっており、最後のシートを獲得する最有力候補となっている。

 一方、チャドウィックについては来年もジェネシスに所属するものの、プログラムの詳細は後日発表されるという。

[オートスポーツweb 2025年09月18日]

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