岩崎明子教授ら2氏に=今年の慶応医学賞

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2025年09月19日 00:31  時事通信社

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時事通信社

 慶応大は19日、医学や生命科学分野で顕著な業績を挙げた研究者に贈る慶応医学賞の今年の受賞者に、米エール大医学部の岩崎明子教授(55)と、米プリンストン大のクリフォード・ブランウィン教授(47)を選んだと発表した。2人にはそれぞれ賞金1000万円が贈られる。

 岩崎氏は、ヒトがウイルス感染した際、体に生まれつき備わった免疫が病原体の種類ごとに異なる仕組みで働くことを解明。新型コロナウイルスの流行時には国際共同研究を主導し、男女で免疫反応に差があることや、後遺症の一つとされる「ブレーンフォグ」の仕組みを分子レベルで明らかにした。

 ブランウィン氏は、生きた細胞内でたんぱく質などの分子が集まり、液体のかたまりを作る「液―液相分離」を世界で初めて確認。細胞内の構造は膜で仕切られていると考えられてきた従来の常識を覆す発見で、この仕組みが神経変性疾患の発症に関わる可能性があり、治療法開発への応用も期待される。

 慶応医学賞は1996年に創設され、受賞者のうち12人が後にノーベル賞に選ばれている。 
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