2年目のSROジャパンカップでタイトルを獲得した都筑晶裕/川端伸太朗組「プレッシャーのなかでのチャンピオンは嬉しい」と喜び

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2025年09月19日 14:20  AUTOSPORT web

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2025年のSROジャパンカップのGT3チャンピオンを獲得したHitotsuyama with Cornes Racingの都筑晶裕/川端伸太朗
 9月12〜14日、三重県の鈴鹿サーキットで開催されたSROジャパンカップ第4ラウンド。2年目を迎え強力なコンペティターがそろうなか、第2ラウンドのレース2での優勝をはじめ、シーズン5回の表彰台を獲得する結果を残したHitotsuyama with Cornes Racingの296号車都筑晶裕/川端伸太朗組がGT3チャンピオンを獲得した。レース後、ふたりにタイトルの喜びを聞いた。

 GTワールドチャレンジ・アジアから分かれ、2年目のシーズンを迎えたSROジャパンカップは、第2ラウンドの富士では25台が参戦するなど、2024年からさらに競争のレベルが上がった。そんなシーズンは毎戦のようにウイナーが変わる一年だったが、コンスタントに表彰台を獲得し、シリーズをリードしてきたのが都筑/川端のコンビで参戦するHitotsuyama with Cornes Racingだった。

 ただ、8月29〜31日に岡山国際サーキットで開催された第3ラウンドでは、チームは苦戦。BINGO Racing with LM Corsaの9号車を駆る武井真司/笹原右京組にランキングで先行を許してしまった。さらに、seven x seven RacingのBANKCYも肉迫。プロとしてチームを引っ張る立場にあった川端には大きなプレッシャーもかかっていた。

 9月13日のレース1では、ウエットからドライに変わるコンディションのなか3位でフィニッシュ。獲得ポイントを104に伸ばし、ランキング首位に返り咲いた。ただ、武井/笹原組、BANKCYも僅差で、チャンピオン決定は9月14日朝のレース2に持ち越された。

 迎えたレース2では、3番手グリッドにつけスタートを待っていた川端は大いに緊張していた。実はこの日、川端は33歳の誕生日。中継のなかで「『誕生日“は”おめでとうございます』と言われないように頑張ります」と緊張を感じさせながらコメントしていた。

 スタートでは、2台に先行を許し川端は5番手で序盤のレースを進めた。「スタートは失敗したわけではないのですが、2台くらいすごい勢いで来たので先行されてしまって。ただぶつかるわけにはいかなかったので、接触だけは避けました」と川端は振り返った。小林崇志がドライブする18号車フェラーリ、横溝直輝が駆る555号車フェラーリに挟まれながら、川端は序盤のレースを戦った。

 ドライコンディションで進んだレースは後半、ジェントルマンドライバーたちの熱い戦いが展開された。川端から交代した都筑は6番手でレースを進めていったが、終盤、タイトルを争っていた9号車の武井と666号車BANKCYが3番手争いのなかでまさかの接触。2台はレースを失ってしまい、これでグッとタイトルが近づいてきた。

 さらに、この接触で3番手に浮上した555号車の前澤友作が2番手争いのなかでデグナーでコースアウト。都筑はレース終盤には芝田典和がドライブする181号車フェラーリを先頭にした4台の争いの渦中となったが、Astemoシケインでの攻防ではうまく接触を避けポジションアップ。2位でフィニッシュし、見事今季チャンピオンを決めた。

「観ている方もハラハラした展開じゃないかと思いました。とにかく最後まで、リタイアせずに頑張ればチャンピオンが獲れるだろうと思っていたので、リタイアだけはしないよう心がけていました」と都筑はレースを振り返った。シケインの攻防についても「見えていました。巻き込まれないように気をつけていたので、けっこう冷静に走れていましたね」という。

 コンスタントな戦いぶりで見事たぐり寄せたチャンピオン。「岡山以外では表彰台に乗れていますからね。とはいえ最終ラウンドの鈴鹿ではかなりチームにもプレッシャーがかかっていました。そんな中でチャンピオンが獲れたことは大変嬉しいです」と都筑は笑顔をみせた。

 そして、誕生日をチャンピオンで祝うことができた川端も、大きなプレッシャーのなかで成し遂げたタイトルにホッとしたような表情をみせた。「とにかく都筑さんを信じていました。チームと都筑さんのおかげで獲れたチャンピオンです。僕は運だけだな、と思ってます」と川端。

 ちなみに、川端にとっては2013年に獲得したJAF-F4西日本、2020年のスーパー耐久ST-TCR以来となるチャンピオン。「タイトル争い自体もひさびさでした。この運に実力も見合うように、これからも精進したいと思います」と自身のさらなる成長を誓った。

[オートスポーツweb 2025年09月19日]

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