20日、21日の山の天気 2週続けて秋の嵐 北海道の高山では初冠雪の可能性

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2025年09月19日 19:25  日本気象協会

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日本気象協会

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今週末も日本列島には低気圧が接近し、荒れた天気となる山岳が多い見通しです。北海道の上空には今シーズンここまでで一番の寒気が流れ込み、降雪が予想されている山岳があります。最新の気象情報や登山道の情報を確認しながら慎重な行動を心がけてください。一方、22日(月)から秋分の日の23日(火)にかけては移動性高気圧に覆われて晴れる山岳が増える見込みです。日程に余裕があるのなら、週明けの登山がおすすめです。

衛星画像 きょうは束の間の晴天 次の気圧の谷が迫る

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雲の様子を見てみましょう。まず目に入ってくるのが台風の雲です。日本の南では台風17号、18号、19号が相次いで発生しましたが、いずれも今週末の日本への影響はありません。

関東の南には秋雨前線が停滞しています。前線の北側には秋の空気が流れ込んでおり、関東甲信は曇っているものの、北海道や東北は爽やかな秋晴れとなっています。一方、黄海から中国大陸にかけて気圧の谷に伴う大きな雲が広がっています。このあと低気圧が発生し、発達しながら北日本へ向かう予想です。週末はこの低気圧の影響を受ける山岳が多い見通しです。

予想天気図 今シーズン一番の寒気が流入 大雪山は雪の予想

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予想天気図を使って予報を詳しく確認しましょう。

20日(土)は、先ほど見た雲のまとまりから低気圧が発生し、発達しながら日本海を進む予想です。西日本では次第に雨が降るでしょう。西よりの風も強まり10m/sを上回る強風が吹く山岳が多い見通しです。東日本も湿った空気の影響で曇りや雨となり、午後は急速に風が強まります。北アルプスなどの3000m級の山岳では20m/s以上の風が吹くおそれがあるため十分な注意が必要です。北日本では、はじめ高気圧に覆われて晴れ間がでる山岳がありますが、昼ごろから急速に雨や風が強まって危険な状況になる見通しです。北海道の上空3000mには0℃以下の寒気が流れ込むため、雨の勢いが強まって寒気が上空から下りてくれば標高2000m以上の大雪山系の山では雨が次第に雪に変わるおそれがあります。

21日(日)は、低気圧が北海道を通過し、低気圧から延びる寒冷前線が本州を通過するでしょう。西日本は天気が回復に向かって晴れたり曇ったりの山岳が多いですが、日本海から北風が吹いてくるため日本海側の海沿いの山では局地的に雲がかかり、雨が降るところもある予想です。東日本でも太平洋側では次第に晴れますが北西の風がやや強く、日本海側の山岳では曇りや雨となるところがあるでしょう。北日本は20日から引き続き荒天で、風速20m/sを超える風が吹く山岳もある予想です。とくに北海道では低気圧通過後の北風によってより強い寒気が流れ込むため標高が高い山岳では雨から雪に変わりやすいでしょう。

初冠雪一番乗りは大雪山系旭岳が最多

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全国各地の気象台が初冠雪を観測している山岳のうち、その年の初冠雪が最も早い山岳を調べてみると、2000年から2024年までの25年間では利尻山が4回、富士山が5回、大雪山系旭岳が16回となっており、旭岳が圧倒的に多くなっていました。今回、強い寒気は北海道どまりで富士山には雪を降らせるような寒気がかからないことから、今シーズンの一番乗りも旭岳の可能性が高いと考えられます。

初冠雪は美しい光景ですが危険を伴う荒天の結果もたらされるものです。悪天候が予想される時刻には入山せず、天気が回復してから楽しむようにしてください。

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