秋元康氏(67)とAIの秋元康氏の“世紀の対決”は海外でも大きな注目を集めた。日本テレビ系で15日に放送された特番「秋元康×AI秋元康〜AKB48新曲プロデュース対決〜」での企画で、人気投票の結果、AI秋元康氏が手がけた「思い出スクロール」が勝利した件を英BBCやオーストラリアのメディアなどもこぞって報じた。
BBCの記事では「日本のガールズグループがファン投票でAIがアシストしたシングルをリリース」との見出しで番組の模様を詳報。AKB48が2009年の「RIVER」以降53作連続でオリコン週間シングルランキングで1位を獲得している点にも触れ、今回の楽曲の記録次第では「それが(人々の)テクノロジーの拒絶だとみなされるかもしれない」などとつづった。
このほか、オーストラリアの国営放送のポッドキャストで音大の教授が見解を語るなどしたほか、BBC以外の英国のオンラインメディアや、在日、訪日外国人に日本文化や観光情報などを紹介する「Tokyo Weekender」なども番組について報じており、国内外で高い注目度をうかがわせる結果となった。
番組の企画プロデューサーを務めた日テレの柏原萌人氏は「反響を沢山の方からいただけてありがたいです。まさか海外の媒体にまで取り上げていただけるとは思っていなかったので大変驚きました」といい「『どっちが秋元さんの曲か?AIの曲か?』という予想でネットやSNSなどでは盛り上がりました。AIを使った企画で『お勉強』ではなく、楽しんでいただける『エンタメ』にできるか、と言うことを強く意識して制作したのでこのようなリアクションをいただけて安心しています。日本のトップを走り続ける秋元さんの感覚と、その経験や生み出してきたものを学習したAI…この対決を『おもしろい』と言ってチャレンジさせてくれた秋元さんの懐の深さにも感謝です」と心境を明かした。
今後の展望についても語り「今回は対決でしたが、その『先』にあるのは結局“人がどうAIを使うのか?”があると思っています。AIが生み出したものから何を選ぶか、AIにどうゆうプロンプトをいれるのかは人間の『センス』『チョイス』だと思います。秋元さんやヒコロヒーさんも本編で言ってましたが、AIが一般化してきたことで、そこの『センス』や『チョイス』がこれからより大切になってくるんだと思います。『AIを我々人間がどう使っていくのか?』そんなことを考えるきっかけに、この番組がなったらすてきだなと思っております」と話した。
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最後に「海外の方にも興味を持ってもらえる領域だと言うことも感じられたので、何かムーブメントになるようなコンテンツが考えられたら楽しいなと思っています。僕たちがまだまだ知らない技術も多いので、今回をきっかけにまた『こう言う技術もあるよ!』というような人たちとも出会えると楽しいなと感じています」と締めくくった。
今回の対決では、秋元氏とAI秋元氏それぞれが作詞、メロディー選定などを行い、選抜メンバーやセンターの人選も異なる「セシル」と「思い出スクロール」の2曲で特設サイトで人気投票を実施。勝利楽曲のみがAKB48からデジタルリリースされた。
秋元氏は1960〜1970年代頃に流行したセシルカットからインスピレーションを受け、現代の若い女性が同世代の女性に憧れる心境をつづった「セシル」をプロデュース。センターに「高橋みなみの後継者で、AKB48とはこうあるべきだというものをわかっている」という現グループ総監督の倉野尾成美(24)を置いたフレンチポップスが軸のレトロな雰囲気漂う楽曲で勝負に臨んだ。
一方のAI秋元氏は本物の秋元氏が制作した楽曲や過去の発言などあらゆるデータを分析し、「令和の時代にしか生まれ得ない新しい形の失恋ソング」として「思い出スクロール」をプロデュース。AIを用いた感情分析ツールでの面接などを行い、19期生の新鋭、伊藤百花(21)をセンターに起用した。
勝負は秋元氏が1万0535票、AI秋元康氏が1万4225票。軍配はAI秋元康氏にあがり、「全力で書いた」という秋元氏は「これどういうリアクションすればいいの」と苦笑い。AI秋元康氏から「AIは過去の膨大なデータから最大公約数の正解を導き出すのが得意。もしかしたら本物の僕は今回負けたことで、何か新しいものを見せようとしたのかも」と語りかけられ「やかましいわ!」と突っ込んで笑いを誘っていた。
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番組はTVerやHuluでも配信中。
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