GT500車両の空力開発は2026年に一時解除で2029年まで4年凍結。来季からはシーズンのエンジン使用も1基に変更へ

　9月21日、宮城県のスポーツランドSUGOで行われているスーパーGT第6戦『SUGO GT 300km RACE』の決勝日、GTアソシエイションの坂東正明代表がGTA定例記者会見に臨み、GT500クラスの車両規定について、2026年3月末を期限として来季に向けた新たな空力アップデートを行い、その内容で2029年まで凍結するという予定を語った。

　スーパーGT GT500クラスでは、2014年から現行の車両規定が採用されており、現在は2024年の空力開発のアップデートを経たものが採用されている。2025年は開発凍結となっていたが、2026年に向けては、再度アップデートが加えられることが明らかにされた。

　坂東代表は、9月21日に行われた定例記者会見のなかで、GT500クラス車両の開発について「空力開発凍結については、2026年の3月末までにアップデートの内容を出してくれとしている。それに向けてテストなり、シーズンオフのテストで作り上げていってもらう」と2026年シーズンに向けて、開発凍結が解除されると語った。

　さらにこの2026年3月末に登録された内容は、2029年まで4年間凍結となると坂東代表は明かした。2026年のアップデート内容は、今後の4シーズンをうらなうものとなりそうで、11月に今季最終戦もてぎを終えた後の2025年12月～2026年3月は各メーカーにとっても重要な時期となりそうだ。

　また同時に、坂東代表は2026年から1シーズンあたりのエンジン使用可能基数を現在の2基から1基にすることも明かした。「基本的にコスト削減や環境問題が言われているなかでマニュファクチャラーと取り組んでいるが、来年からはGT500クラスについてはエンジン1基で通す。（1基あたりの）距離数を伸ばしたいと思っている」と坂東代表は語った。

「タイヤの持ち込み本数の制限もより長く走れるもの、エンジンについては出力よりも長持ちするものをマニュファクチャラーに考えて欲しいし、環境に対して取り組むことで、コスト削減になる方向性に進める。当然開発のコストがかかるけど、目に見えるコストは翌年以降、成功した上でコストを見据えたい」

　2026年に登場したGT500車両は、車種変更などが行われない限り基本的にはそのままの方向となりそうだが、2030年以降のGT500については「2027年にはシミュレーションして図面を書き、プロトタイプを作りやっていかなければならない」と語った。

「現在DTMとは関係が切れているが、ADAC（ドイツ自動車連盟）との話し合いは続いていて、（DTM最終戦の）ホッケンハイムでまた話をしたい。GT3について方向性は決まっているが、我々がやっているものの方向性を話したい」と坂東代表。GT500で使用されている共通パーツの連携について、ドイツと共有できるものは継続して行いたいとした。

「方向性としては、今やっているもののコストから見出すもの、日本のマニュファクチャラー3社が継続して参加できるものにコンテンツを仕上げなければ、という趣旨で動いている。今積み重ねているもの中から2030年以降のものは出てくると思う」と坂東代表は2030年以降のGT500について示唆している。

[オートスポーツweb 2025年09月21日]

GT500車両の空力開発は2026年に一時解除で2029年まで4年凍結。来季からはシーズンのエンジン使用も1基に変更へ

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