最終周で名取鉄平の24号車リアライズが劇的オーバーテイク。KONDOが9年ぶり、松田次生も最多勝更新の勝利【GT500決勝レポート】

0

2025年09月21日 19:30  AUTOSPORT web

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

AUTOSPORT web

ファイナルラップでトップを奪いチェッカーフラッグを受けるリアライズコーポレーション ADVAN Z(松田次生/名取鉄平) 2025スーパーGT第6戦SUGO
 9月21日、宮城県のスポーツランドSUGOで2025スーパーGT第6戦『SUGO GT 300km RACE』の決勝レースが行われ、GT500クラスは松田次生/名取鉄平組の24号車リアライズコーポレーション ADVAN Zがファイナルラップまで繰り広げられたトップ争いを制し、KONDO Racingにとって2016年以来となる勝利を挙げた。

 前日20日予選日は、事前に予報された雨こそ降らなかったものの、曇り空で一日を通して少し肌寒さを感じたSUGO。予選はドライコンディションのなかで16号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT(大津弘樹/佐藤蓮)が前戦に続いて2戦連続ポールポジションを奪い、39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ)、3号車Niterra MOTUL Z(佐々木大樹/三宅淳詞)が続いて3メーカーがトップ3を分け合う結果に。

 迎えた21日の決勝日は晴天に恵まれ、多くの観客が朝からサーキットに来場し、午前のピットウォークも賑わいをみせた。12時からのウォームアップ走行では、GT300クラスの4号車グッドスマイル 初音ミク AMGのタイヤが外れるアクシデントが発生。赤旗中断によって以降のスケジュールが10分遅れで進行されることになった。

 決勝レースは気温24度、路面温度32度というコンディションのなか、13時40分に宮城県警察先導のパレードラップで各マシンが動き始める。続いてセーフティカー(SC)先導によるフォーメーションラップを経て、300km84周の戦いが幕を開けた。

 スタートでは16号車ARTAの大津を先頭に、39号車DENSOの関口と3号車Niterraの佐々木以下、全15台がスターティンググリッドどおりの順位で続く。バックストレートまでは2番手の39号車DENSOがトップの16号車ARTAを攻め立てるが、ここは大津がポジションを守る。

 しかし、GT300のバックマーカーが絡み始めた4周目の1コーナーで39号車DENSOが16号車ARTAをアウトからオーバーテイクしてトップを奪う。その背後では5番手の24号車リアライズコーポレーション ADVAN Zの松田次生が燃料流量リストリクター3ランクダウンの1号車au TOM’S GR Supra山下健太を捉えて4番手に順位を上げる。

 24号車リアライズはその勢いのまま3番手Niterraに迫り、8周目の1コーナー進入でアウトからパス。これで松田が3番手に上がり、4番手に後退した佐々木は後続の1号車au山下から追撃を受ける。その後方では6番手を走行していた23号車MOTUL AUTECH Zが17号車Astemo CIVIC TYPE R-GT、8号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GTにかわされ8番手に後退。38号車KeePer CERUMO GR Supraも13番手まで順位を下げた。

 上位勢は39号車DENSOが逃げるなか、24号車リアライズが16号車ARTAを13周目の2コーナー立ち上がりで捉え2番手に浮上する一方、1号車auは17号車Astemo、8号車ARTA、64号車Modulo CIVIC TYPE R-GT、19号車WedsSport ADVAN GR Supraに連続オーバーテイクを許し、5番手から一気に9番手にまで後退してしまう。

 23号車MOTULもずるずるとポジションを下げ、8番手スタートの17号車Astemoが4番手に上がり、レースの状況が変わり始めるなか、18周目にGT300クラス車両がSPコーナー先でストップ。ここで最初のフルコースイエロー(FCY)が導入される。レースは20周目に再開。すると24号車リアライズの松田が39号車DENSOの関口を捉えトップを奪う。しかし、抜かれた関口も松田に追いすがり、25周目のシケイン進入でインを突いて首位奪還に成功する。

 レース28周目には17号車Astemo、8号車ARTA、3号車Niterra、1号車au、12号車TRS IMPUL with SDG Zの5台がピットに向かう。続く29周には16号車ARTA、64号車Modulo、23号車MOTUL、37号車Deloitte TOM’S GR Supra、14号車ENEOS X PRIME GR Supraが、31周目には19号車WedsSport ADVAN GR Supraがピットインしてレースに復帰していく。

 一方の39号車DENSO、24号車リアライズ、100号車STANLEY CIVIC TYPE R-GT、38号車KeePerは第1スティントを伸ばす戦略を採り、ピットイン完了組では16号車ARTAが見た目上のトップに立っていたが、最終コーナーでコースアウトがあり17号車Astemoが上位に。

 その後24号車リアライズは39周目にピットインするが、アウトラップで17号車Astemo、64号車Moduloの先行を許してしまう。そして41周目にはトップをいく39号車DENSOがピットに入り、中継映像上31.3秒の作業でサッシャ・フェネストラズがリードを守ったままレースに戻る。

 残る100号車STANLEYは43周目、38号車KeePerは44周目にピットに入り、GT300のストップ車両によりFCYが導入された45周を前にGT500は全車がピットインを完了。FCYは47周目に解除されるも、翌48周には64号車ModuloとGT300クラスの20号車シェイドレーシング GR86 GT、777号車D’station Vantage GT3が絡んでクラッシュするアクシデントが発生。車両回収とガードレール修復のため50周目に赤旗が提示。レースはここで一時中断となった。

 その後レースは16時ちょうどにセーフティカー先導のもと、最大延長時間の16時30分まで残り30分のタイムレースで再開。セーフティカーは残り22分で退去しスプリントレースの幕が上がるかと思われたが、1〜2コーナーでGT300の45号車PONOS FERRARI 296がストップしたため3度目のFCYが導入された。

 レースは残り14分半でリスタートされ、GT500はトップの39号車DENSOがリードを広げていく。その背後では17号車Astemoの塚越広大と24号車リアライズの名取鉄平が2番手争いを繰り広げ、残り12分の1コーナーで名取が2番手にポジションを上げる。

 ペースの良い24号車リアライズの名取は、その勢いのまま首位を走行する39号車DENSOに急接近。残り10分というタイミングでテール・トゥ・ノーズにまで迫り、残り7分の1コーナーで仕掛けるもアウト側縁石に乗り上げ、差が2秒ほどに広がってしまう。しかし、39号車DENSOのフェネストラズが残り5分を切ったところでGT300の集団に引っかかり、ふたたび名取が背後に迫る。

 白熱のトップ争いには17号車Astemoと16号車ARTAも加わった4パックとなるなか、GT300のマシンを挟みながらファイナルラップに突入。なかなか突破口を作れなかった名取だが、バックストレートでフェネストラズの背後に迫ると、馬の背コーナー進入でアウトから並びかけ、SPコーナーひとつめでインを取った24号車リアライズは名取が劇的オーバーテイクを決めて大逆転優勝を飾った。

 KONOD Racingとしては、2016年11月に熊本地震の代替戦としてツインリンクもてぎ(現在のモビリティリゾートもてぎ)で開催された第3戦以来となる約9年ぶりの勝利。松田にとっては2023年開幕戦以来の約2年ぶりで、GT500最多勝記録を更新する通算25勝目、そして2024年からGT500に参戦する名取はGT500初優勝を挙げた。

 39号車DENSOは終始トップを守っていながらも、0.649秒差の2位。さらに17号車Astemoが0.886秒差の3位で表彰台を獲得、ポールスタートの16号車ARTAは4位、37号車Deloitteが5位に続き、6位には最後尾スタートから追い上げた100号車STANLEYが入っている。

 2025年のスーパーGTはこれで6戦を終えた。次戦はサクセスウエイト半減の第7戦『AUTOPOLIS GT 3Hours RACE』が10月18〜19日に大分県のオートポリスで開催される予定だ。

https://twitter.com/jsports_motor/status/1969671801002250659

[オートスポーツweb 2025年09月21日]

    ニュース設定