ウイリアムズのサインツが有言実行の表彰台。3位死守の要因となったローソン【F1第17戦決勝の要点】

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2025年09月22日 00:10  AUTOSPORT web

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2025年F1第17戦アゼルバイジャンGP カルロス・サインツ(ウイリアムズ)
 2025年F1第17戦アゼルバイジャンGPの決勝にて、カルロス・サインツ(ウイリアムズ)が3位に入り、移籍17戦目にして初表彰台を掴んだ。復活途上のウイリアムズであるだけに、加入当初からある程度の苦戦は覚悟していたことだろう。しかしチームメイトのアレクサンダー・アルボンが上位入賞を繰り返す一方で、サインツは予想以上にウイリアムズのクルマに手こずり続けた。前戦イタリアGP終了時点での最高位は8位が精一杯。気づけばアルボンに、56ポイントもの大差をつけられていた。

 アゼルバイジャンGPの予選で2番グリッドを獲得後、「決勝では表彰台を狙う」と宣言したのは、そんな状況をひっくり返したいという思いからだったはずだ。とはいえ望外の2番グリッド獲得は、度重なる赤旗中断や小雨の降るタイミングに助けられた部分も大きかった。背後のメルセデス、マクラーレンは、明らかに戦闘力に勝る。彼らをどこまで防げるか、サインツ自身にも絶対的な勝算はなかったことだろう。

 それでもサインツはスタートから28周目のピットインまで、2番手を守り続けることができた。それを可能にした大きな要因のひとつは、3番手のリアム・ローソン(レーシングブルズ)をメルセデスの2台が抜きあぐねたことだった。その間にサインツはローソン以下の差を、5秒前後まで広げることができた。

 しかし21周目にローソンがピットインすると、3番手に繰り上がったジョージ・ラッセル(メルセデス)がサインツ追撃態勢に入る。ラッセルのペースは0.3〜0.6秒速く、28周目のサインツのピットイン直前には、その差は2.6秒まで縮まっていた。それでもサインツはハードタイヤに履き替えると、ラッセルの0.1〜0.2秒落ちまでラップタイムを回復させた。

 40周目、ラッセルがピットに向かった。この時点でサインツは20.019秒後方につけていた。ピットロスタイムは約20.5秒。ぎりぎりでサインツが2番手を奪い返せる計算だった。ところがラッセルは、全19台中最速の19.809秒でピットロードを駆け抜けた。その結果、サインツに1.8秒の差をつけ、2番手死守に成功した。

 3番手サインツの背後には、もう1台のメルセデス、アンドレア・キミ・アントネッリが迫る。2台のペースはほぼ互角だ。しかしサインツはDRS作動域の1秒以内まで近づくことを防ぎ、最後は2.5秒まで引き離して3位チェッカーを受けた。

「初めての表彰台と、同じくらい嬉しいよ」

 ノーミスで走り切り、アントネッリの猛追を抑え切ったサインツは、レース後のヒーローインタビューでそう語った。ウイリアムズとしては2021年第12戦ベルギーGPでのラッセル以来となる表彰台となった。移籍1年目の自分がそれを成し遂げたことに、サインツは強い達成感を得たことだろう。

[オートスポーツweb 2025年09月22日]

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