インディ6時間はキャデラック1-2。太田格之進のアキュラと首位を争った31号車が節目飾る/IMSA第10戦

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2025年09月23日 07:00  AUTOSPORT web

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2025年IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第10戦『バトル・オン・ザ・ブリックス』の決勝レーススタート(プロトタイプ)
 9月21日、アメリカ・インディアナ州のインディアナポリス・モーター・スピードウェイで、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第10戦『バトル・オン・ザ・ブリックス』の決勝レースが行われ、キャデラック・ウェーレンの31号車キャデラックVシリーズ.Rが2025年シーズン初勝利を飾った。


■アキュラARX-06が予選最速も、ポール剥奪

 ジャック・エイトケン/アール・バンバー/フレデリック・ベスティのトリオがドライブした31号車は、残り9分でLMP2クラス3番手につけていた04号車オレカ07・ギブソン(クラウドストライク・レーシング・バイ・APR)がクラッシュしたことにより、残り2周の“超スプリント”となった最終盤のバトルを僅差で制してトップチェッカーを受けた。この勝利によってキャデラック・ウェーレンを運営するアクション・エクスプレス・レーシング(AXR)は、IMSAレースにおける通算30勝目を記録している。

 予選で最速タイムを記録するも、再車検で技術違反が見つかりグリッド降格となった60号車アキュラARX-06(アキュラ・メイヤー・シャンク・レーシング)に代わってポールポジションからスタートした31号車キャデラック。このクルマは6時間で競われたレースの大部分を優位に進めたが、序盤は同門の10号車キャデラックVシリーズ.R(キャデラック・ウェイン・テイラー・レーシング)からの挑戦を受けてリードを許す場面も。

 また、総合トップで迎えた終盤には10号車に加えて60号車アキュラもプレッシャーを掛けてきたが、31号車のステアリングを握るエイトケンはこれらの挑戦を跳ね返し、リッキー・テイラーが駆るブルーのVシリーズ.Rに0.988秒差で先着しキャデラックのワン・ツー・フィニッシュを牽引してみせた。

 惜しくも敗れたWTRの10号車キャデラックは、3時間目にロックアップから左フロントタイヤがパンクするトラブルに見舞われた。これによってストラテジーに狂いが生じ、レースの最終盤にフルコースコーション(=セーフティカーラン)がなければ燃料切れで完走できない状況にあったが、04号車のアクシデントに救われるかたちとなった。

 3位表彰台を獲得した60号車アキュラは、前述のとおり予選後に“天国から地獄”を味わいGTPフィールドの最後尾からスタートする羽目になった。さらに4時間目には、7号車ポルシェ963(ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ)をブロックしたとして、ドライブスルーペナルティも受けていた。

 トップ3に続いたのは24号車BMW MハイブリッドV8(BMW MチームRLL)だったが、このクルマも3時間目にブロッキングペナルティを受けた。日本人ドライバーの太田格之進が“ミシュラン・エンデュランス・カップ”の第3ドライバーとして合流した93号車アキュラARX-06(アキュラ・メイヤー・シャンク・レーシング)は、レンガー・バン・デル・ザンデが残り32分で最終コーナーのウォールに接触したが、粘り強くトップ5を守った。なお93号車は太田が中盤のスティントで強力なペースを見せ、一時はベスティ駆る31号車キャデラックとトップの座を争う活躍を見せた。

 GTPチャンピオンシップリーダーのマット・キャンベルとマシュー・ジャミネのコンビ(6号車ポルシェ963)は総合7位に終わったが、ランキング2位につけるニック・タンディ/フェリペ・ナッセ組の姉妹車7号車ポルシェもドライブスルーやシフトトラブルに見舞われ同12位に沈んだため、131ポイントのリードを持って最終戦に臨むこととなっている。

 LMP2クラスでは、ミケル・イェンセン/スティーブン・トーマス/ハンター・マクエレア組11号車オレカ07・ギブソンが優勝し、TDSレーシングが大会3連覇を達成。クラス2位となった43号車オレカ07(インターユーロポル・コンペティション)との差は、わずか0.714秒だった。

 最終盤に起きた04号車オレカ07のクラッシュ後、4番手につけていた74号車オレカ07(ライリー)が表彰台の最後の枠を獲得している。

 GTDプロクラスは、マイク・ロッケンフェラー/セブ・プリオール組の64号車フォード・マスタングGT3(フォード・マルチマチック・モータースポーツ)が、ピットレーンの速度違反によるドライブスルーペナルティを克服し、シーズン3度目の勝利を収めた。2位は81号車フェラーリ296 GT3(ドラゴンスピード)、3位には48号車BMW M4 GT3エボ(ポール・ミラー・レーシング)が入った。

 GTDクラスでは70号車フェラーリ296 GT3(インセプション・レーシング)のブレンダン・イリーブ/フレデリック・シャンドルフ/オリー・ミルロイ組が待望のウェザーテック選手権初勝利をマーク。120号車ポルシェ911 GT3 R(ライト・モータースポーツ)に続き34号車フェラーリ296 GT3(コンクエスト・レーシング)が3位に入ったことで、このクラスは跳ね馬のワン・スリー・フィニッシュとなっている。

 ウェザーテック選手権の次戦は『プチ・ル・マン』。このシーズン最終戦となる10時間レースは、ジョージア州のミシュラン・レースウェイ・ロード・アトランタで10月9〜11日に開催予定だ。

[オートスポーツweb 2025年09月23日]

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