TBSの定例社長会見が24日、都内の同局で行われ、龍宝正峰社長が来年3月開催の第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)を米動画配信プラットフォーム、Netflix(ネットフリックス)が独占配信することについてコメントした。
TBSはテレビ朝日と共に前回大会を中継していた。龍宝社長は同局で9月に中継した「東京2025 世界陸上」が視聴率、チケット販売共に好調だったことに触れたのち、「WBCがライブ放送できなくなった。このようなこと(世界陸上の好反響)を考えても残念だと思いますが、次の機会に、いろんなスポーツを含めて我々にできることがあるならサポートしたいと今、強く思っています」と力を込めた。
TBSはNetflixで独占配信が発表された際に「国民的関心の高いスポーツイベントを無料の地上波放送で中継することの意義や視聴者の皆さまのご期待は非常に大きいと考えており、現在事実関係の詳細を確認中です」とコメントしていた。その後、各所へ確認の結果、ライブ放送に関しては「非常に困難」な状況であることが判明したという。
龍宝社長は昨今の国際大会の放映権料について「非常に高騰しているのは事実です。経営的な負担は非常に大きくなっている。このままだと無料スポーツ中継が減少するのではないかという危機感を持っていました」と語り「何とかみなさんのご期待にこたえらえれないか。新しいCMセールスを工夫したりして、より活発化させることや、クライアントさんに説明する必要もある。ただ、それだけでは大きなマイナスを埋めるまでにはいかない。また、海外の配信事業者はユーザー獲得のために大きな投資をする。資本力がある。こういう権利獲得の戦いは不利な状況にありつつあるのは否めない。しかし、やっぱり国民の皆さまにWBCだけでなく大きなスポーツコンテンツを無料で放送することは重要だと考えています」と話した。
「世界陸上」の影響で陸上教室に足を運ぶ子どもが増えた事例なども耳にしているといい「誰もが無料でスポーツに触れられる機会を失うことで、新たなファン層やその裾野が広がることをさまたげることになってはいけない。熱狂的なファン以外がスポーツに触れる機会を失うことにならないようにしなければいけない。我々に何ができるのか、高いハードルはたくさんありますが、民放連なども含めて議論していきたい」とした。
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また、Netflixの決定については事前説明などはなく突然の発表であったことも明かし、今後の対策について龍宝社長は「権利団体ごとに対応の仕方は変わってくるので、もっとしっかりやっていくしかないのかなと思います」と話した。
NetflixはWBC全47試合を独占中継するとされている。23年の前回大会はTBSやテレビ朝日が中継を行い、決勝の日本−米国戦の平均世帯視聴率は42・4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)をマーク。日本戦は全て40%を超えるなど高い注目度を集め、日本の優勝という結果も重なり、WBCフィーバーも巻き起こっていた。
今回の発表により、過去5大会で放送を行ってきた地上波で大会が見られない可能性が高まっている。
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