2025年F1第17戦アゼルバイジャンGP オスカー・ピアストリ(マクラーレン)が決勝1周目にクラッシュ マクラーレン代表アンドレア・ステラは、F1アゼルバイジャンGPの週末にクラッシュを繰り返したオスカー・ピアストリに関して、「彼らしくないミス」であるが、どれほど優れた経験豊富なドライバーにもそういう週末はあるとして擁護した。
選手権首位のピアストリは、予選Q3でタイムを出す前にクラッシュを喫し、決勝を9番グリッドで迎えることになった。さらにスタート時、ジャンプスタートをして、ブレーキを踏み、アンチストールシステムが作動、ターン1に最後尾で入っていくことに。ターン3でピエール・ガスリー(アルピーヌ)を抜いた後、ターン5でエステバン・オコン(ハース)のアウト側から強引に仕掛けた際に、左前輪をロックさせてウォールにクラッシュ。ピアストリはその場でリタイアし、ノーポイントでレースを終える結果になった。
ピアストリ本人は、「今週末は普段と何も変わったことはしていない。ミスが多すぎただけで、それらはすべて将来的に修正し、回避するのが非常に簡単なものだ」とコメントした。
しかし複数の解説者がピアストリのミスに否定的な発言をし、SNSでは大勢の人々が、プレッシャーに弱いドライバーであると、彼を批判した。
これを受けて、ステラはピアストリの擁護に回った。
「オスカーは2025年シーズンにおいて最も堅実なドライバーだ。複数回タイトルを獲得したドライバーでも、学びの週末というものが必ずある。今回オスカーは、本人の望まぬ形で、学ぶ機会をこの週末に集中させることになった」とステラは述べた。
「オスカーの最も強力な特徴のひとつは、学習の速さ、改善の速さ、そしてより強くなって戻ってくる力だ。だからこそ、彼はどのカテゴリーでも成功してきた。F1キャリアでも同じことが起きると私は確信している。それを今シーズンの残りで見ることになるだろう」
ステラは、レース開始から30秒以内にピアストリが犯した2つのミスを振り返り、次のように説明した。
「スタートの件は、熱意が過剰に現れた結果だろう。これで学んだはずで、彼はもう同じことを繰り返すことはないと思う。ロックアップについては、昨日と同様に、路面のグリップレベルを誤って判断した。スタートの遅れやフライングと関連づけられているかもしれないが、それは関係ない」
「結果としてノーポイントだが、大きな学びを得た週末だ。私はすでにオスカーと話をしたが、彼の心はすでに完全に冷静で、通常どおり機能している。すでに『今回はこういうことを学習した。次を楽しみにしている』という状態にあるのだ」
「今日は、仮に問題がなかったとしても、9番手からでは多くのポイントを獲得できる状況ではなかった。オスカーにとっては大きな学びを得たが、ポイントはゼロという週末だった」
ステラは、自身の長いキャリアでの経験を元に、どんなドライバーであっても、時には悪い週末があるものだと強調した。
「私は、複数回タイトルを獲得したドライバーたちと働いた経験があるが、彼らの場合でも、どのシーズンにも必ず、学び以外に得るものがないという週末があった。史上最高のドライバーのひとりであるミハエル・シューマッハーが、支配的なシーズンを過ごしている時でさえ、そういうことはあったのだ。理由は様々だが、困難に陥ることがある。グリップレベルを誤って判断すれば、厳しい罰を受けることになるのだ」
「今季おそらく最も堅実なドライバーが、たった一度、思うようにいかない週末を過ごし、損失を見直さなければならなくなるのは、驚くべきことではないし、懸念すべき例外でもない。こうしたことは、すべてのチャンピオン、そのなかでも最高の実績を持つチャンピオンたちにも起こってきたのだから」
[オートスポーツweb 2025年09月24日]