吉永小百合(80)が24日、東京国際フォーラムAで行われた主演映画「てっぺんの向こうにあなたがいる」(阪本順治監督、10月31日公開)完成披露試写会に登壇。天海祐希(58)に3回目の共演実現を感謝するとともに「チャンスがあったら」と4度目の共演を熱望し「泣いちゃうから…やめてください」と、天海の涙腺をゆるませた。
吉永と天海は、01年「千年の恋 ひかる源氏物語」(堀川とんこう監督)、19年「最高の人生の見つけ方」(犬童一心監督)に続き、今作が3度目の共演。吉永は今作で、女性として初めて世界最高峰8849メートルのエベレストの登頂に成功した登山家・田部井淳子さんがモデルの主人公・多部純子を演じた。天海は田部井さんの友人の元読売新聞記者・北村節子さんをモデルに描いた、純子の山仲間で親友の編集者・北山悦子を演じた。
天海は「純子さんを、ずっと見つめてきた悦子さんの役をやらせていただきました。もちろん実在の方で、ご本人も、はつらつとパワフルでエネルギーがある。そんな方が、ずっと見つめてきた純子さんは、もっと、もっとすばらしい方なんだなと」と役どころを評した。その上で「私が小百合さんを思う気持ちと似ている。感情移入できるポイントが、たくさんありました」と語った。
吉永は「天海さんに出演していただいて感謝、感謝」と、自ら熱望した共演が実現したと強調。「親友以上に、私にとって力強い、すばらしい存在。頼っていますし、これからもチャンスがあったら、ぜひぜひください」と天海に呼びかけた。
天海は「小百合さん、泣いちゃうから、やめてください」と恐縮。「吉永さんとご一緒したい方が、たくさんいらっしゃるでしょうに、私は3回もご一緒させていただいた。ずっと、小百合さんの役を見つめ続ける役…こんな、ありがたいことはないと思いながら大事に、大事に、1シーン、1シーン丁寧に演じました。見てくださる方にも伝わると良いなと思っています」と口にした。そして、吉永と顔を見合わせると「泣いちゃう」と言い、手で目を拭った。
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この日、吉永は約2000人の観客の前で、エベレストを模した8・849メートル×15メートルのバナーの前に立った。そして、今作で124本目を記念した12・4メートルの白銀ランウエーを歩いた。チベットの民族衣装を意識したという衣装は、この日のために新調したという。
映画の原案は、田部井さんの15年の著書「人生、山あり“時々”谷あり」(潮出版社)で、吉永は田部井さんと12年にTBSラジオ「こんばんは 吉永小百合です」(日曜午後10時半)で対談。「私のラジオに出ていただいて、何てすてきな方だろうとファンになった。田部井さんを元にした役ができて、うれしく思う。20歳過ぎて、山が好きで登ったので思い出した」と語った。撮影前に都内専門施設での高所順応テスト、低酸素トレーニングなどに励み、肉体改造に取り組んだ。田部井さんは、16年10月に腹膜がんのため77歳で亡くなったが、その3カ月前に高校生と富士山に登ったのが人生最後の登山となった。そうした事実まで織り込んで描いた。
舞台あいさつの最後に、吉永は「本当のことを言いますと、この映画をよその国で作ろうとしていた。米国で、田部井淳子さんの映画を作る権利を持っていた。その期限が切れて、何とか企画として成立して映画の形にできあがった。本当にラッキーで」と米国で映画化の企画が先に進んでいた事実を明かした。そして「天国から淳子さんが応援してくれたから」と笑みを浮かべた。
完成披露試写会には、田部井さんの夫政伸さんをモデルにした純子に献身的に寄り添う夫・多部正明を演じた佐藤浩市(64)吉永が演じた主人公純子の青年期を演じたのん(32)正明の青年期を演じた工藤阿須加(34)純子の長女教恵を演じた木村文乃(37)長男真太郎を演じた若葉竜也(36)悦子の青年期を演じた茅島みずき(21)も登壇した。
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