のん「格好良いと感動」…富山のクランクアップで吉永小百合が新幹線で駆けつけた秘話を明かす

0

2025年09月24日 21:34  日刊スポーツ

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

日刊スポーツ

映画「てっぺんの向こうにあなたがいる」完成披露試写会で笑顔で記念撮影する、左から天海祐希、吉永小百合、佐藤浩市、のん(撮影・浅見桂子)

吉永小百合(80)の主演映画「てっぺんの向こうにあなたがいる」(阪本順治監督、10月31日公開)完成披露試写会が24日、東京国際フォーラムAで行われた。劇中で、吉永が演じた主人公・多部純子の青年期を演じた、のん(32)は富山県で迎えたクランクアップの際に吉永が新幹線に乗って1人で駆けつけ、持参したチョコレートでねぎらってくれたと明かし、感謝した。


映画は、女性として初めて世界最高峰8849メートルのエベレストの登頂に成功した登山家・田部井淳子さんの15年の著書「人生、山あり“時々”谷あり」(潮出版社)が原案で、純子は田部井さんをモデルに描かれた。のんは撮影にあたり、阪本順治監督(66)から「多部さんにも見えなきゃいけないし、吉永さんの青年期にも見えなきゃいけない」とリクエストがあったことを明かした。「吉永さんの瞳の引力を表現できればと思った。どんなもんだ、という気持ちでご覧下さい」と観客に呼びかけた。


撮影中に印象的だった出来事を聞かれると「プロデューサーの方が、富山で撮っているところに、吉永さんがいらっしゃるとご連絡をくださったと。来るのに結構、ややこしい場所だから、お気持ちだけ…と聞いていた」と振り返った。その上で「撮影を終える時に、吉永さんが、おひとりでいらしてくださった。現場のテンションがワーッと上がって、皆が報われた気持ちになって格好良いと感動しました」と吉永が駆けつけた現場の様子を克明に紹介。「『お疲れさま』とハグして、チョコレートをくださった。格別においしくて、本当に幸せでした。ありがとうございました」と、吉永に感謝した。


吉永は「撮影の最後の日だったんですね。ずっと前から行きたいと思っていたんですけれども、どうしても東京でやらなければいけないことがあって」と、多忙でなかなか、のんらが演じる撮影現場に行けなかったと振り返った。その上で「最後の日に雪が降って、大変だという知らせを受けて、何としても…と思って、新幹線に1人で飛び乗って行きました。皆さんが一生懸命やっている姿を見て、胸が熱くなりました」と声を震わせた。


完成披露試写会には、田部井さんの夫政伸さんをモデルにした純子に献身的に寄り添う夫・多部正明を演じた佐藤浩市(64)正明の青年期を演じた工藤阿須加(34)純子の長女教恵を演じた木村文乃(37)田部井さんの長男進也さん(47)がモデルとなった長男真太郎を演じた若葉竜也(36)が登壇。田部井さんの友人の元読売新聞記者・北村節子さんをモデルに描いた、純子の山仲間で親友の編集者・北山悦子を演じた天海祐希(58)悦子の青年期を演じた茅島みずき(21)も登壇した。


◆「てっぺんの向こうにあなたがいる」 1975年(昭50)エベレスト山頂に1歩1歩、着実に向かう多部純子。日本時間16時30分、純子は女性として初の世界最高峰制覇を果たした。しかし、世界中を驚かせた輝かしい偉業は純子と友人、家族たちに光を与えるとともに深い影も落とした。晩年、純子は余命宣告を受けながらも「苦しい時こそ笑う」と家族や友人、周囲を、その朗らかな笑顔で巻き込みながら人生をかけて山へ挑み続けた。登山家として、母として、妻として、1人の人間として、純子が、最後に「てっぺん」の向こうに見たものとは…。

    ニュース設定