大沢たかお(57)が主演とプロデューサーを務める「沈黙の艦隊」シリーズの映画第2作「−北極海大海戦」(吉野耕平監督)初日舞台あいさつが26日、東京・TOHOシネマズ日比谷で行われた。劇中で、内閣総理大臣・竹上登志雄を演じた笹野高史(77)は「お前も総裁選に出ろ、出ろ! と言われるのか…ドキドキしております」と言い、笑った。
今作では、核ミサイルを積んで航海中に反乱逃亡し、独立戦闘国家を全世界へ向けて宣言した、大沢たかお演じる海江田四郎が艦長を務める「やまと」を、笹野が演じた竹上首相が支持する。政治と軍事を切り離し、やまとが保有する核ミサイルの抑止力で世界平和をいかに達成するか、と提唱する海江田の考えに共鳴する一方で、率いる与党・民自党内で意見が分かれたため、竹上は国民に信を問うために衆院を解散し、選挙に打って出る「やまと選挙」も1つの大きな軸となる。
劇中で、竹上は新民自党を立ち上げる、風吹ジュン(73)演じる民自党・海渡真知子幹事長、夏川結衣(57)が演じた防衛大臣・曽根崎仁美も竹上の元を離れ、津田健次郎(54)演じる大滝淳も民自党から独立した鏡水会(きょうすいかい)を立ち上げ、代表となる。まさに、石破茂首相が退陣を表明し、衆院解散こそ現実とはならなかったが現在、展開されている自民党総裁選とも重なって見える。笹野は「タイムリーな映画でございます」と笑った。
また今作では、前作のドラマ「−シーズン1〜東京湾大海戦〜」で、東京湾での大海戦で米第7艦隊を圧倒し、やまとは国連総会へ出席すべくニューヨークへ針路を取り、米国とロシアの間のベーリング海を進む。そこは、ウクライナ侵攻の終結を協議するため、8月15日にトランプ米大統領とプーチン大統領が会談を行ったアラスカ州に近い。笹野は「政治の妙…ロシアと米国とウクライナを見ていると、悪く言うと、だまし、ブラフ、ディール…そこに海江田さんが持っていく感じ(ベーリング海を)抜けていくところが、ハラハラする」と、作品がロシアのウクライナ侵攻をめぐる、米国とロシアのせめぎ合いにも通じると指摘した。
この日は、フリージャーナリスト市谷裕美役の上戸彩(40)フリーカメラマン森山健介役の渡邊圭祐(31)やまとの副長・山中栄治を演じた中村蒼(34)官房長官・海原渉役の江口洋介(57)も登壇した。
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◆「沈黙の艦隊 北極海大海戦」冷たく深い北の海を、モーツァルトを響かせながら潜航する原子力潜水艦「やまと」は「大」いなる平「和」と名づけられ、米第7艦隊を東京湾海戦で圧倒。ニューヨークへ針路を取り、米国とロシア国境線のベーリング海峡にさしかかった時、背後に1隻の潜水艦が迫った。それは、ベネット大統領が「核テロリスト やまとを撃沈せよ−−」と送り込んだ、やまとの性能をはるかに上回る米国の最新鋭の原潜「アレクサンダー」だった。時を同じくして、日本では衆議院解散総選挙が行われる。やまと支持を表明する竹上首相(笹野高史)は、残るも沈むも、やまとと運命を共にすることとなる。海江田四郎(大沢たかお)は、この航海最大の難局を制することができるのか。
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