会計検査院の看板 日本政府による国際機関などへの拠出金を巡り、15府省庁が追加拠出した123件について、資金の活用状況を確認していなかったことが26日、会計検査院の調査で分かった。検査院は、確認をしていれば資金を有効活用できたとし、拠出金の適切な把握を図るよう求めた。
検査院によると、2018〜23年度の国際機関などへの拠出金の合計額は722件で5兆237億円に上った。
任意の額を自発的に拠出する「任意拠出金」のうち、15府省庁で計4530億8489万円を拠出した123件について、拠出先の繰越額を定期的に把握しなかったり、資金が余っているかの確認を怠ったりしていた。
東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国でICT(情報通信技術)の整備を進める「日ASEAN情報通信技術基金」(総務省所管)では、拠出先の資金の余剰状況を確認せずに、18〜23年度に計6850万円を追加で支出していた。
ほかに、検査院は情報開示の不備なども指摘。厚生労働省は「COVAXファシリティ拠出金」として、新型コロナウイルスの自国用ワクチン購入に使途を特定して資金を拠出していた。その後、国内のワクチン供給にめどが立ち、使途が途上国向けのワクチン購入支援に変更されたのに、厚労省は公表していなかった。