
(左から)小堺一機さん、渡辺美里さん
◆対面で話すことの贅沢さ
小堺:コロナの時期っていうのは、不幸なことも生んだけど、対面じゃなくても仕事ができる技術がそのときからあったり、逆に“ライブって贅沢で幸せな場所だったんだな”ということを再認識できる時間でもあったじゃないですか。
渡辺:そうですね。今は「ちょっと間に合わないからリモートで」みたいな感じが当たり前になっているところもありますけど、いかに自分たちが贅沢でプリミティブだったのか(笑)。だって、会って体温を感じながら話すほうが、自分の頭のなかに残るし、感動も余韻も残るから……。
小堺:だから、画面越しで顔を見て話すのもうれしいけど、きっと(対面では知らないうちに)波動か何か出しているんですよ。
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小堺:アーティストの方って、お客さんからもらった元気を「ありがとう。えいっ!」ってもう一度返して、結果みんな「楽しかった〜」って帰っていくんだから、ある種“ヒーラー”ですよね。それに、よくコンサートに来た方が「元気になりました!」「また1年頑張ります!」って言ってくださるでしょ? そういう声を聞くと、僕らは素敵なお仕事をしているんだなって思いますよね。
渡辺:本当にそうだと思います。それが音楽であったり、お笑いであったり……。バンドのメンバーとかスタッフのお子さんがコンサートに来てくれたときに、ライブの前に会ったときは「美里ちゃん!」って言うんだけど、コンサートが終わった後に楽屋訪問してくれるとみんな泣くの、何か出ているから。
小堺:へぇ〜。
渡辺:小さい子なんかは、赤ちゃんがお相撲さんに抱っこされて泣くと元気に育つみたいな感じで、うちのスタッフのお子さんも、お孫さんちゃんも、バンドメンバーのお子さんもみんな泣かせてきた(笑)。
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渡辺:なるほどね。波動をブワーって感じてくれちゃうのか、みんな「ギャー!」って泣いちゃう。
小堺:温故知新っていう言葉があるけど、昔、大将(萩本欽一さん)に「『新宿コマ劇場』とかでやる舞台って、なんで1部はお芝居で笑わせて、次の2部は歌で泣かせるんですか?」って聞いたことがあって。そうしたら、大将は「人間って、泣いて笑うのが一番いいの。笑うだけじゃなくて、1回泣かせるんだよ。でも、俺は泣かせるのが下手なの、恥ずかしくなっちゃうから」って言ってた(笑)。
渡辺:なるほど〜。
小堺:だから、ミュージカルだってコメディリリーフの人が笑わせて、最後に鳥肌が立つ歌で終わっていくというね。(観ている人も)欲しいんですよね、そういうのが。
渡辺:その通りだと思います。
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番組名:TOKYO SPEAKEASY
放送日時:毎週月-木曜 25:00〜26:00
番組Webサイト: https://www.tfm.co.jp/speakeasy/
番組公式X:@TokyoSpeakeasy
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