スプリントで優勝を飾ったフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)/2025MotoGP第17戦日本GP 9月27日、2025MotoGP第17戦日本GP MotoGPクラスのスプリントレースが栃木県・モビリティリゾートもてぎで行われ、フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)が優勝を飾った。
MotoGPクラスの予選を終え、コース上ではMoto3・2の予選が行われ、いよいよスプリントに向けて進行が行われていく。多くの観客がスタンドから見守るなか、ライダーたちはグリッドへと向かい、スタートに向けて準備を整えていく。午前に比べて日差しがやや強まりスタート前は気温28度、路面温度44度と少し上昇。タイヤはほとんどのライダーがミディアム/ソフト、ラウル・フェルナンデス(トラックハウスMotoGPチーム)のみがリヤにミディアムを選択していた。
1周のウォームアップラップを経て、ライダーたちが再びグリッドにつくとシグナルグリーンとともに12周の短期決戦が幕を開けた。しかし、1コーナーで早くも波乱が起こることに。アプリリア・レーシングのマルコ・ベゼッチとホルヘ・マルティンがクラッシュ。そこにアレックス・リンス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム)、ジャック・ミラー(プリマ・プラマック・ヤマハMotoGP)、ヨハン・ザルコ(カストロール・ホンダLCR)の3名も転倒こそないものの、巻き込まれる形となった。
3名は再スタートを切ったが、アプリリア・レーシングのふたりはここで戦線離脱となった。転倒したマルティンは鎖骨あたりを抑える様子も見られた。コース上には影響はほとんどなかったためレースはそのまま続行され、好スタートを切ったバニャイアが先頭のままレースを牽引していく。
2番手スタートのジョアン・ミル(ホンダHRCカストロール)も順位を守り切るも、バニャイアのペースについていくことができず、2周目にペドロ・アコスタ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)に交わされた。マルク・マルケス(ドゥカティ・レノボ・チーム)は4番手にドロップしていたが、思いのほかペースを上げられずにいた。
5周目にはマルク・マルケスが元チームメイトのミルを果敢に攻め立てるが、ミルが抜き返しここはポジションを守り切る。その後方はやや離れてフランコ・モルビデリ(プルタミナ・エンデューロVR46レーシング・チーム)がつけ、5番手を走るファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム)の背後には集団が迫りつつあった。その集団の中には10番手の小椋藍(トラックハウスMotoGPチーム)の姿もあった。
先頭をひた走るバニャイアは、ファステストをマークしながら順調アコスタとの差を広げ、残り5周の時点で5秒以上に広がっていた。すると、後方ではマルク・マルケスが再びミルに襲いかかり、イン側から華麗に抜き去って3番手に浮上する。やや押し出される形となったミルは、前方とやや差が開く形となってしまう。
勢いづくマルク・マルケスはさらにペースを上げ、残り3周でアコスタをも捉えて2番手に浮上。ドゥカティ・レノボ・チームがワン・ツー体制を構成する。ただ、前を走るバニャイアとの差はすでに2.7秒ほどにまで広がっており、残り周回数からもこの差を埋めるのは至難の業。じわじわと詰め寄るも、ここは一度もスタートを譲らず守り切ったバニャイアに軍配が上がった。
2位のマルク・マルケスは1.8秒差にまで詰めよって2位でフィニッシュし、ドゥカティ・レノボ・チームが強さを見せたスプリントとなった。3位はアコスタ、4位はミルが続きスプリントでは自己最高位を獲得。惜しくもメダル獲得とはならなかったが、ホンダの母国でポテンシャルの強さを示した。5位はモルビデリ、6位はクアルタラロが入り、最後まで順位を守り抜いた。
小椋は終盤にアレックス・マルケス(BK8グレシーニ・レーシングMotoGP)のミスを逃さずに9番手へと順位を上げ、最終ラップまで前を走るチームメイトのラウル・フェルナンデスに仕掛けていた。ただオーバーテイクにまでは至らず9位でフィニッシュし、ポイントを持ち帰った。日本勢の中上貴晶(ホンダHRCテスト・チーム)は14位でチェッカーを受けた。
23台のうち18位がチェッカーを受け、5台がリタイアと少々荒れたスプリントとなった。予選とスプリントを終え、残すはメインレースのみ。決勝はスプリントの2倍となる24周で争われることとなる。好調なマルク・マルケスがチャンピオンを決めるのか、はたまた台風の目が現れるのか、見どころ満載の決勝レースは明日28日の14時にスタート予定だ。
[オートスポーツweb 2025年09月27日]