レース後には涙。マルク・マルケス「不思議な感覚。過去を振り返りたくない。この瞬間を楽しみ続けたい」/MotoGPチャンピオン会見

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2025年09月28日 19:20  AUTOSPORT web

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2025年のライダーズチャンピオンを獲得したマルク・マルケス(ドゥカティ・レノボ・チーム)/2025MotoGP第17戦日本GP
 9月28日、栃木県のモビリティリゾートもてぎで開催された2025年MotoGP第17戦日本GP MotoGPクラスの決勝でマルク・マルケス(ドゥカティ・レノボ・チーム)がチャンピオンに輝いた。レース後にはチャンピオン会見が開かれ、そこに出席したマルク・マルケスがここ数年の振り返りと王座獲得の喜びを語った。

 ホンダ時代には、最高峰クラスで2013年から2015年を除き2019年まで6回のタイトルを獲得したマルク・マルケス。以降は怪我も相まって不振が続き、2024年にドゥカティに移籍。昨年はランキング3位だったが、今年は5戦を残して日本GPで2019年以来となる7度目の王座奪還を果たした。

「すごく不思議な感覚だよ。全体としては楽しんでいるのに、同時に全部を楽しめているわけではない。なぜかはわからないけど、ただ自分自身と調和しているような気がするんだ。ここ数年、僕は数えきれないほどのものと戦ってきた。でも最も困難だったのは、マルク(自分)との戦いだった。マルク対マルクの戦いだった。一方のマルクがこうしろと言い、もう一方のマルクが別のことを言う」

「一方のマルクは『やめろ』と言い、もう一方のマルクは『続けろ』と言う。でも結局、自分の直感に従おうとした。100%の力を出し、決して諦めず挑戦し続けることに決めた。これが仕事だ。僕はそれを成し遂げようとした。そして僕たちはやり遂げた。今はただこの瞬間を楽しみたい。聞かれるのは分かっているけど、過去を振り返りたくない。ただ今この瞬間を楽しみ続けたいだけだよ」

「これ(チャンピオン)は単なる数字以上のものだと知らなかったんだ。そして単なるタイトル以上の意味を持つ。以前も言ったように、これを成し遂げることは、僕のキャリアで最も困難な挑戦だった。山の頂点に立っている時は、毎週末に栄光を手にし、チャンピオンシップを勝ち取る。だけど、転落した時にその熱ははるかに高く、地面に着地するどころか、地下に沈んでいく」

「そこから抜け出すのはひとりでは不可能で、周囲の多くの人々が支えてくれた。このインタビューが終わらなくなるから名前は挙げないけど、本当に大勢の人が助けてくれた。多くの人が自分の道を進む機会を与え、『本能に従え、我々はいつだって味方だ』と励ましてくれた」

「これもまた非常に大きな助けとなった。僕にとって最も素晴らしいのは、未来は未来だということだ。時に誰かが未来を照らしてくれる気がする。日本でワールドチャンピオンを達成し、日本で(ホンダと)別の道を進む決断をした。僕は日本でその輪を閉じた。表彰台にはドゥカティチームとホンダチームが並んでいた。完璧な結末だ。あの輪を閉じるのに完璧な方法だった」

「今は少し感情をコントロールできるようになったよ。だって俺はコントロールするのが好きだからね。でも難しい、本当に難しいよ。最後のセクターを走ってる時もヘルメットの中で泣いていたし、(前を走る)ペッコ(バニャイア)のバイクの煙が見えたんだ。彼が何をしているのか、もうパーティーを始めていたんだよ(笑)冗談はさておき、今日は本当に感情を制御できなかった。レース前からコントロールが難しい状態だったよ」

「自分が何をしたか語る立場ではない。自分が何を成し遂げたかは分かっているけど、それを評価できるのはあなたたちだ。僕は100%の力を尽くした。自分の決断を下し、それを達成するために多くのことを捧げた」

「しかし最も重要なのは、自分の道を選んだ時、その瞬間の目標は決して山頂を目指していたわけでも、チャンピオンシップを狙っていたわけでもない。目指していたのは、バイクに乗ることへの情熱を再び楽しむこと、そしてキャリアを続けることだった」

「それが肝心なポイントだった。確かに多くの人々が僕をMotoGPだけでなくモータースポーツ全体における偉大な名前と並べてくれる。それは光栄であり喜びだけど、僕はただマルクであり、自分の道を歩み続けるよ」

[オートスポーツweb 2025年09月28日]

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