「期待外れ」と言われた厳しい評価を跳ね除けたアントネッリ。僅差の選手権2位争いのカギに【ルーキー・フォーカス】

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2025年09月29日 12:20  AUTOSPORT web

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2025年F1第17戦アゼルバイジャンGP アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)
 不振が続いていたアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)が、2025年F1第17戦アゼルバイジャンGPで4位に入賞し、後半戦初の2桁得点を挙げた。

 前半戦では、第6戦マイアミGPのスプリント予選で最速タイムをマークしたり、第10戦カナダGPで表彰台を獲得するなど、ルーキーのなかで最も活躍したドライバーとなっていたアントネッリ。しかし、第11戦オーストリアGPでスタート直後にマックス・フェルスタッペン(レッドブル)に突っ込んでクラッシュしてから、精彩を欠くレースが続いていた。特に第13戦ベルギーGPから3戦連続でQ3進出を逃していた。

 第16戦イタリアGPで4戦ぶりにQ3に進出し、レースでも8番目にフィニッシュラインを通過したものの、レース終盤のアレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)とのバトルで幅寄せしたことでペナルティを受け、9位に降着していた。

 こうした走りに、これまでアントネッリを擁護していたトト・ウォルフ代表も「いまでも私は彼が非常に優秀になると信じている」と期待を込めつつ、「ただ、今日は期待外れだった」と厳しい評価を下していた。

 こうして迎えた第17戦アゼルバイジャンGP。テクニカルディレクターのジェームス・アリソンによれば、「チーム一丸となって、キミが安定してセッションを送ることができるよう準備していた」と言う。そして、その期待にアントネッリもしっかりと応えた。多くのドライバーがバクー市街地サーキットの突風に悩むなか、アントネッリはミスのない走りを披露。Q1を10番手で通過すると、Q2はチームメイトのジョージ・ラッセルに次ぐ5番手で通過。Q3はラッセルをコンマ3秒上回り、予選4番手を獲得した。

「金曜日から安定した走りをして、マシンにキズひとつ作ることなく、冷静に走っていた」(アリソン)

 レースでは3番手からスタートしたリアム・ローソン(レーシング・ブルズ)をアンダーカットするために早めにピットインしたため、チームメイトのラッセルのオーバーカットを許してしまい、表彰台獲得とはならなかった。それでも、4位入賞は最近の厳しい評価を跳ね除けるに十分なパフォーマンスだった。

 この4位の12点によって、メルセデスはコンストラクターズ選手権でフェラーリを逆転し、選手権2位に浮上した。

「しかし、フェラーリとの差はわずかで、レッドブルも接近してきた。この戦いを勝ち抜くにはキミの活躍が不可欠だ」

 アリソンはそう言って、アントネッリの復調を喜び、期待を寄せていた。

[オートスポーツweb 2025年09月29日]

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