
日本の東海上で迷走していた台風19号は29日午前9時にアリューシャンの南で温帯低気圧にかわりました。一方、台風20号もベトナムに上陸し、29日夜までに熱帯低気圧に変わる見通しです。9月は終盤を迎え、まもなく10月ですが、台風シーズンはまだ終わりません。南の海上では海面水温が高く、台風の起源となる積乱雲が発達し、いつ台風発生に結び付いてもおかしくない状況です。
日本の南の海上は未だ"蒸し風呂"状態
気象衛星ひまわりで雲の様子を確認すると日本のはるか南の海上には白く輝く雲が群を成しています。これは積乱雲によるもので、発達するほど白色が濃くなります。発達のカギとなるのは雲の直下に広がる海面の水温です。最新の海面水温の分布を確認すると台風の発達の目安となる27℃以上の範囲が日本近海に広がり、南の海上では30℃以上とまるで蒸し風呂状態となっています。現在、南の海上に確認できる雲が早々に熱帯低気圧⇒台風に発達することはないとみられますが、同様の雲が発生し、急発達することでいつ台風発生になってもおかしくない状況です。
過去10年の日本への台風接近数
2015年から昨年2024年までの10年間の日本への接近数を月別に確認します。8月の38個をピークに9月も34個と接近数がより多くなっています。8月、9月と比べると10月は半減はしているものの、15個も接近。2019年の10月10日から13日に襲来した19号は、東日本の広範囲に甚大な被害をもたらしたのは記憶に新しいです。10月に入ってもまだ台風が発生する可能性があり、油断はできません。ハザードマップの確認や非常持ち出し袋の確認など台風への備えを進めておくと良さそうです。
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台風の大雨 土砂災害から身を守るための情報
台風が近づくにつれて、大雨のもとになる「暖かく湿った空気」が流れ込むので、雨が続いて、土砂災害が発生する恐れがあります。土砂災害から身を守るには、次の2つの情報をチェックするのが、おススメです。
●1つめは、住んでいる場所(今いる場所)が、土砂災害が発生しやすいかどうか、確認することです。都道府県や国土交通省のホームページを見て、「土砂災害警戒区域」や「土砂災害危険個所」となっていれば、土砂災害の恐れがあります。ただ、土砂災害警戒区域でなくても、近くに「がけ」がある所は、注意が必要です。
●2つめは、雨の情報を確認することです。パソコンやスマホで、雨雲レーダーを見ると、雨雲の様子を確認できますし、気象庁のホームページなどでは、「どれくらい雨が降ったか」という情報だけでなく、「土砂災害警戒情報」が発表されている所もわかります。土砂災害警戒情報が発表されたら、自治体からの避難指示の発令に特に注意しながら、安全な所へ避難してください。