安住紳一郎アナ“別業態”芹ゆう子、冠ラジオ最終回 AIパーソナリティーの危うさ説く「AIのために人々が命を奪い合う」【当該パートほぼ全文】

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2025年09月29日 14:30  ORICON NEWS

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安住紳一郎アナウンサー(C)ORICON NewS inc.
 TBS・安住紳一郎アナの“別業態”で、セリのPRに燃えるフリーアナウンサーこと「芹ゆう子」によるTBSラジオ『芹ゆう子 お気づきかしら(仮)』が(毎週日曜 前5:05〜5:15)が、28日の放送で最終回を迎えた。半年間の放送を締めくくるトークには、AI化が進む現代を案じる言葉であふれた。

【写真】芹ゆう子ラジオ最終回 AIパーソナリティーの危うさ説く

 同番組が立ち上がった発端は、2023年1月に、安住アナが『THE TIME,』の宮城県・名取市での生中継コーナーに大雪のため間に合わないとなった際、安住アナが作ったキャラクター「芹ゆう子」がリポーターとして登場。同番組の説明では「大正12年、満州生まれの102歳。宮城県で芹専門のリポーターをやっている設定の『芹ゆう子』。時代を超えて、コンプラの波をすり抜け、歯に衣着せぬトークをお届けします。時に愚痴、時に説教、時には素敵な音楽を。朝の5時から失礼こきます。みなさん、お気づきかしら?」となっている。

 この日の放送で、芹は「先週、番組でお伝えした通り、きょうが最終回ということになります。さみしいわね。中島みゆきさんの『オールナイトニッポン』。1987年3月に最終回を迎えました。1000人を超えるリスナーが駆けつけて、番組終了後、ニッポン放送の玄関から送迎車まで、赤い絨毯(じゅうたん)が敷かれていたそうです。特に、きょうこのスタジオの前には何も敷かれてないわね。いいのよ、そういうことで何か気持ちが変わる私ではないわよ。帰った後に、塩だけまかないでほしいなと思います。ハハハ」とコメント。

 さらに、最終回を惜しむリスナーからのメッセージを読み上げると「私自身、大正生まれだから、明治と昭和に挟まれた時代、なんだかわかるわ。みなさんの息抜きの時間になったのだとしたら、本望です。自由な時代なんて言われますけど、四方八方、お膳立てした発言じゃないと、あちらを立てればこちらが立たぬの当たり前田のクラッカー、その手は桑名の焼きホンビノス貝よ(笑)。そして、みなさまやっぱり、なんで終わるのかっていうことが気になっているみたいね。ここだけの話にしてちょうだいね、ダジャレの在庫がなくなっちゃったのよ(笑)。もう、自分自身にガッカリーナジョリー」と軽妙に話していった。

 その後、芹はニュースを読むAIアナウンサーの話から、その波がラジオパーソナリティーにも押し寄せるのではないかと指摘。「風が吹けば桶屋が儲かる」に代表される三段論法式に未来を予測していった。戦後80年という節目と今の流れも含めた私見を述べた当該箇所について、ほぼ全文で紹介したい。

 番組の模様は、放送後1週間以内は「radiko」で聞くことができる。

■芹ゆう子によるラストメッセージほぼ全文

ニュースを読むアナウンサーに代わって、AIが登場したことは、この間もお話しましたが、ラジオのAIパーソナリティーもこれからどんどん出現することになるんじゃないかしら。アニメ『銀河鉄道999』のように、生身の人間と機械の人間が共存する世界ね。私がパーソナリティーをやっていて、いつも感じることはね、生身の人間は間違ったことや人の道に外れたことをすると、信用を失うでしょう。家族の生活や、自分のキャリアが真っ黒になっちゃう。そんな恐れがあるから、常に発言は慎重になるのよ。その“毒”の塩梅が、その人の力量ってことになるのね。

一方、AIパーソナリティーは、自分の信用を失う恐怖がないのよ。問題発言があって炎上すれば、また別のキャラクターになればいいんだから。なので、弱気な人間を尻目に、超強気なトークができるAIパーソナリティーがいつか登場するのよ。そして、歯切れのよさ、一切忖度のない本音の話に、中毒的なファンを獲得する。

そして、そのAIパーソナリティーが「私たちはとなりの国と戦った方がいい」と言い始め、ファンは何も疑わず、いつもの通り、付き従い、幸せを感じたまま戦いを始め、誰が作ったかもしれないAIのために、人々が命を奪い合う。そして、もう誰にも止められないのよ。生身の人間は純粋なのよ、やさしいから。他人は基本いい人だとデフォルトで思っているから、結局騙されることは生身の人間の必然なのよ。人間、騙されたと気づかずに全体が滅ぶ道を元気よく進むのよ。こんな話、SFみたいだと笑っちゃうわよね。

人に信頼されることが、人から頼られることが、生身の人間にとって一番幸せな感情だということは、芹もよくわかっています。ですから、みなさんからさまざまな信頼が寄せられたこと、本当にうれしく、愛おしく思っています。すばらしい仲間に恵まれたことは、芹にとって、何よりうれしかったことです。みなさんの未来を案じているのよ。半年間ありがとう。終わりにしましょう。

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