空自F2戦闘機の訓練再開 墜落原因は「推力低下や制御システム故障」

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2025年09月29日 20:23  毎日新聞

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毎日新聞

 航空自衛隊百里基地(茨城県)所属のF2戦闘機1機が太平洋上に墜落した事故で、空自は29日、事故後見合わせていた同型機の訓練飛行を再開すると明らかにした。事故原因については「エンジンの推力低下や制御システムの故障が要因と推定する」とした。


 事故は8月7日に発生。訓練中のF2が百里基地の北東約150キロの洋上に墜落し、操縦していた1等空尉が緊急脱出した。


 空自によると、1尉は事故調査委員会に対し「(操縦席で)衝撃音と振動を感じ、エンジンの不具合を示す『注意灯』が点灯した」などと証言。回収した事故機のフライトデータレコーダー(飛行記録装置)の解析結果と「矛盾しない」ことが確認できたという。


 空自はエンジンの推力低下などが事故原因とみて調査を継続し、最終報告をまとめる方針。一方、事故後の特別点検で「安全性を確保した」として、最終報告を待たずに訓練飛行再開に踏み切ることを決め、F2を配備している基地の立地自治体に説明した。


 再開にあたって臨時の記者会見を開いた空自トップ、森田雄博・航空幕僚長は「戦後最も厳しく複雑な安全保障環境の中で、空の守りの体制を維持する上でも不可欠」と理由を説明。5月に愛知県犬山市のため池にT4練習機が墜落し、今月19日には救難捜索機U125Aが新潟空港の滑走路を逸脱するなど空自機の相次ぐトラブルに触れ、「重く受け止め、安全確保に万全を期する」とした。【宮城裕也】



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