2025年F1第17戦アゼルバイジャンGP アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス) メルセデスは、チームのシミュレーターの問題が、サマーブレイク後のグランプリに向けた準備に影響を与えたことを明らかにした。トラックサイドエンジニアリングディレクターのアンドリュー・ショブリンは、それらの問題が第15戦オランダGPと第16戦イタリアGPの両グランプリに向けた、ルーキーのアンドレア・キミ・アントネッリの準備に影響を与えたことを認めた。
アントネッリは、FP1が始まったらすぐにスピードを発揮すべく、シミュレーター作業に大きく頼っている。しかしはチームは、オランダGPの準備でシミュレーターのグリップレベルを高くしすぎたため、ザントフォールトで走行を開始した際、アントネッリが窮地に追い込まれたことを認めた。フリー走行1回目では開始早々にコースアウトしたことにより、アントネッリはセットアップの準備で大きく遅れをとることになった。
チーム内では、アントネッリはザントフォールトの路面の実際のグリップレベルにすぐに適応すべきだったと考える者もいるが、メルセデスの経験豊富なスタッフのなかには彼を擁護する者もいる。ショブリンは次のように説明した。
「ザントフォールトに向けて、キミはシミュレーターセッションに参加したが、いくつか問題があり、そこで十分な準備ができなかった」
「その後、キミはFP1でミスをしたが、その責任の一端は我々にあると考えている。通常の準備ができなかったのだ」
イタリアGPの準備でも、状況はあまり改善されなかった。サーキットに到着したアントネッリが直面した現実は、シミュレーターで体験したものとはまったく異なっていたからだ。イタリアGPの週末後、メルセデスはシミュレーターを通常のレベルに調整できたため、ショブリンによれば、アントネッリはバクーのような難しいサーキットでベストレベルのパフォーマンスを発揮し、シーズン最高の結果のひとつを収めることができたという。
「キミはバクーの1週間前から一緒にいて、レース2、3回分の距離、もしくはそれに相当する距離を完走するという、非常に忙しい1日を過ごした。だから彼はバクーに向けて最高の準備を整えていたかもしれない」
チームメイトのジョージ・ラッセルより上の順位で予選を通過し、4位でフィニッシュしたにもかかわらず、アントネッリはチーム代表のトト・ウォルフからそれほど称賛を受けることはなかった。ウォルフはアゼルバイジャンGPの後、「モンツァで起きたことにより、キミは彼自身の期待に応えられなかったし、ドライビングは彼が期待していた通りではなく、望んでいた通りでもなかった」と語った。
「バクーでは、究極のパフォーマンスに少し欠けていた部分があったかもしれないし、それが表彰台に上がれるかどうかの違いになったかもしれない」
「それでも、高い安定性があった。あの結果を出すことが重要だったからだ」
[オートスポーツweb 2025年10月02日]